サトウ産業上場へ オーナー企業脱却視野 東証のプロ向け市場

 鉄工建設事業のサトウ産業(本社・上越市上名柄)は10月14日、東京証券取引所のプロ投資家向け市場「TOKYO PRO Market(東京プロマーケット)」に上場する予定だ。10日、東証に上場申請を行った。

 上越市に本社を置く企業が東京プロマーケットに上場するのは初めて。県内では2019年に上場した清鋼材(糸魚川市)に続き2社目。

 佐藤明郎社長(56)によると、2年ほど前から上場に向け、アドバイザーや監査人の選定、審査に向けた作業を行ってきた。「オーナー企業からの脱却に向け、上場することで今後の選択肢を増やしたかった。上場申請の業務を通じ社員の意識も変わった」と話す。

「上場により今後の事業承継に選択肢を増やしたかった」と話す佐藤社長

 サトウ産業は1974年会社設立。本社の他、安塚区や三和区に工場を持ち、県外を中心に鋼構造物工事を手掛ける。鋼構造物工事部門の売上のうち、首都圏での事業が占める割合は90%を超える。2019年には三和区の三和西部産業団地内に軽量鋼の工場を新設、今後さらに土地を取得し設備投資を行う方針だ。21年2月期の売上高は20億3000万円。取締役4人のうち、2人が女性と女性登用率も高い。

 東京プロマーケットでの買い付けは、機関投資家をはじめプロの投資家に限られる。また上場企業には、上場後の義務履行を適切に行っているか監視するアドバイザーが就く。サトウ産業のアドバイザーは日本M&Aセンター(東京都)。

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