毎号違う題字は児童の力作 海老名市の広報紙、応募者が増加

毎号、子どもたち一人一人の個性的な字体で飾られる「広報えびな」

 毎月1日と15日に発行される海老名市の広報紙「広報えびな」。1号ずつ見ていると気付きにくいが、表紙のタイトルロゴ「えびな」は実は毎号、字体が異なっている。自治体広報紙としては異例だが、市内の小学4年生が応募してきた作品を採用しているためだ。すでに来年用の“力作”も多数寄せられており、17日には伊藤文康教育長らが選考を行った。

 広報紙づくりを担当する市シティプロモーション課によると、小学生の字を使い始めたのは2018年1月から。広報紙リニューアルのタイミングで、内野優市長が「せっかくなら子どもの字を使ったらどうか」と発案。小学校の夏休みの選択制の課題の一つに入れてもらったという。

 17年に初めて作品を募集した際には、259人が応募。翌18年は432人、19年は492人と増加していった。昨年は新型コロナウイルスの感染拡大で夏休みが短縮され、課題から外れたこともあり、118人に急減。しかし、今年は市内の全小学4年生約1200人の半数近い562人が応募し、過去最多となった。

 採用されると児童の名前と顔写真が広報えびなで紹介されることもあり、ある教育委員は「子どもだけでなく親にも人気で、応募者が増えている」と喜ぶ。

 来年の広報紙に使う作品は17日、えびなこどもセンター(同市中新田)で伊藤教育長と4人の教育委員が審査員となり、24点を選出。教育委員の一人は「上手な字だけでなく、個性的な字も選んだ」と話した。

 市シティプロモーション課は「毎号、字が違って面白い。載った子どもたちにも喜んでもらえ、市民と一緒に広報作りができる。これからも大勢に参加してもらいたい」と呼び掛けている。応募全作品を12月20~27日、市役所1階に展示する。

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