芝居は「昭和の結婚式」 お馬出し一座新婚メンバーに晴れ舞台 高田で挙式、練り歩く

 「お馬出し一座」は19日、昭和の結婚式を演出した「あっぱれ!ご城下高田の花めぐり」を雁木通りプラザ広場(上越市本町3)などで実施。一座メンバーの下間典明さん(41)、順子さん(35)夫婦を祝った。

 昨年入籍したが、コロナ禍で挙式ができなかった下間さん夫婦に、晴れの舞台を一座の芝居という形で用意する趣向。

 雁木通りプラザ広場での挙式セレモニーは、地域住民ら約50人が見守る中で行われた。嫁入り唄(宮城長持唄)を響かせた中での新郎新婦入場、盃(さかずき)を交わす「三三九度」の儀式など昔ながらのスタイルで進行。最後に来場者で結婚式の定番曲を替え歌で歌うなど、場内は終始、温かい雰囲気に包まれていた。

「三三九度」の儀式で盃を交わす典明さん(中央左)、順子さん(同右)夫婦

 挙式セレモニー後は、「たかだ花ロードウィーク」が開かれている本町通りを歩いた。時代衣装をまとった一行が練り歩く姿は、周囲の関心を集めていた。

挙式セレモニー後は、「たかだ花ロードウィーク」が開かれている本町通りを練り歩いた

 今回、和風での結婚式を要望したという典明さんは「子どもの頃から親しんでいたこの場所を、こういう形で歩くことができて感慨深い」と笑顔。順子さんは「こんなに大勢の方々に協力していただき、祝っていただき、とてもうれしい。貴重な経験をさせてもらった」と声を弾ませた。

 一座の活動は、コロナ禍になってからは初めて。企画の中心的な役割を担った宮越紀祢子さん(76)は「コロナになってからは活動できず、今回も『やっていいのか』という不安があったが、皆の『二人を祝いたい』という気持ちが高まり、企画がどんどん広がっていった」と振り返る。

 一座の活動は、今回でひとまず最後となる。一区切りとなる芝居公演を終え、宮越さんは「本当に、やって良かったと思う」と晴れやかな笑みを浮かべた。

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