吉崎達彦氏「中国版リーマンショック? 世界的株価下落の原因とされる『中国恒大集団』とは?」〜9月21日「くにまるジャパン極」

連休明け、きょう21日午前の東京株式市場で日経平均株価は大幅反落で始まった。先週末終値の額より下げ幅は一時500円を超えて、大台の3万円を割り込んだ。エコノミストの吉崎達彦氏は9月21日の「くにまるジャパン極」(文化放送)で、この下落の原因とみられている中国の不動産大手「中国恒大集団」について、詳しく解説した。

9/21 吉崎達彦

吉崎氏「中国恒大集団、China Evergrande Groupっていうんですが、これは前からヤバイゾヤバイゾっていわれてまして、マーケットの中ではこれが中国版リーマンショックに繋がるんじゃないかって話は結構前からいわれていました。事実関係としては香港のハンセン指数ってのが20日に暴落して、それが全世界に飛び火して、日本は休み明けの今朝から波をかぶっているという状態ですね。」

では、中国恒大集団とはどういう会社なのか?

吉崎氏「簡単にいうと、広東省深圳(しんせん)に本拠地を置くデベロッパーグループで、絵に描いたような高レバレッジ経営をやっていたと。つまり理財商品と呼ばれる債権を発行して、短期の高利回りみたいな投資信託ですよね。民間のお金をガンガン入れて、それで住宅マンションなどのデベロッパーをやっていた。それだけじゃなくてヨーロッパの選手をガンガン入れた強豪サッカーチームを経営していたり、最近ではEV(電気自動車)の子会社を作ったり、多角化にも手を出していました。」

そんな中国恒大集団はなぜ具合が悪くなったのだろうか?

吉崎氏「去年ぐらいから実は中国政府による不動産バブル潰しみたいなことが始まってるんですよね。コロナ禍で今、世界的に融資とか金融は緩和気味なんですが、そんな中で不動産価格が上がるのはよろしくないと、去年の8月から3つのレッドラインという財務改善要求を導入して、不動産会社の決算内容とかを厳しく見るようになったんですね。もうひとつ去年の12月から、金融機関に対して不動産向けの融資は全体の4割以下にしなさいと、90年代の日本の総量規制みたいな典型的なバブル潰しをやってたわけです。そうすると中国恒大集団は当然、3つのレッドラインの条件を満たしてないんで、株価が下がって、信用不安が起きて、資金繰りが悪化してってことで、先週ぐらいからこれはどうもデフォルト(債務不履行)するぞと。どう考えても借り入れがでかすぎるんで、中国版のリーマンショックになるんじゃないの?といわれていたわけなんです。」

最後に吉崎氏は、今回の世界的な株価の下落の原因は中国恒大集団の経営悪化を隠れ蓑にしたもので、本命は別のところにあるのでは無いかと、いくつかの仮説を展開した

次の節目となるのは24日の休み明けと見られており、まだまだ先が見通せない状況だ。

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