上越教育大附属小(清水雅之校長、児童412人)に保管されていた、94年前に製造されたスタインウェイ社製グランドピアノが21日、修理を終え同校に到着した。復活を祝い、10月1日の開校40周年記念式典とポプラ音楽祭の中で児童による演奏が行われる。
ピアノは高田師範学校附属小時代から使われてきた名器で、現在は使われずに校舎内に置かれていた。40周年の記念事業として、ピアノを復活させる「音故知新プロジェクト」が昨年に立ち上がり、11月から国内工場で修理が行われていた。
表面の塗装は全て塗り直し、新品同様の輝きに。同製品の特徴である譜面台の透かし彫りも美しい姿を取り戻した。また、一部の部品は在庫がないため、一から作ったという。
約350万円の修理費を賄うため、寄付を呼び掛けたところ、目標を大きく上回る357人470万4000円の寄付があった。生まれ変わったピアノを市民に開放する構想があり、ミニステージなどの設備や維持費に寄付の超過分を充てる予定となっている。
同校の山之内知行教頭は「皆さまの学校に対する熱い思いを受け止めた。素晴らしいピアノだとあらためて感じる。子どもたちに夢と希望を与えてくれる」と話していた。