沖縄書店大賞に「火花」 郷土書は「人生には『まさか』の坂がある」

 県内の書店員が「今いちばん読んでほしい本」を投票で選出する第2回沖縄書店大賞(同実行委員会主催)が12日発表され、文芸書部門でお笑い芸人・又吉直樹さん(35)の芥川賞受賞作「火花」(文芸春秋)、郷土書部門で那覇市で民謡ライブ店を営む安里賢次さん(62)の「人生には『まさか』の坂がある」(二見書房)が選ばれた。

 新設の児童書(絵本)部門は、のぶみさん「ママがおばけになっちゃった!」(講談社)が選ばれた。県内32店の書店員156人が投票した。

 那覇市ぶんかテンブス館で開かれた記者会見で、又吉さんは「父の出身地である沖縄で多くの方に読んでいただき、心強く思う。沖縄の人の温かさや距離感が近いことなど、沖縄に関する作品もいずれ書いてみたい」と喜びを語った。

 安里さんは「子どものころ母から言われた『心の冷たい人間になるな』ということも、本を通じて伝えられたと思う」と感謝した。

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