宮崎美子の歌手デビュー40周年アルバム「スティル・メロウ」新曲「ビオラ」も配信開始  2021年9月29日 宮崎美子のアルバム「スティル・メロウ ~40thアニバーサリー・アーカイブス」がリリース

歌手デビュー40周年、音楽活動を再開した宮崎美子

透明感のある伸びやかな歌声が帰ってきた――。

リマインダーの読者なら、そう歓喜するに違いない。昨年はビキニショットを含む自身初のカレンダーの発売、今年は50年前の中学生に扮したマクドナルドのCM… と、“奇跡の60代”として注目を浴び続ける宮崎美子が久々に音楽活動を再開したからだ。

女優としてあまたの作品に出演する一方、朗らかなキャラクターと博識ぶりで、バラエティやクイズ番組にも引っ張りだこの宮崎が歌手デビューしたのは1981年。以後、1987年までにシングル4作とオリジナルアルバム3作を発表するが、平成以降は俳優やタレントとしての活動が中心となっていく。そのため歌い手としての顔を知らない、若い世代も多いことだろう。

だが、歌手デビュー40周年を迎えた今年、その歌声が本格的に復活した。まず公式YouTubeチャンネル「よしよし。」で、四季折々の“歌のカレンダー”として、童謡や唱歌を歌唱。3月に「早春譜」、6月に「みかんの花咲く丘」、8月に「ふるさと」の歌唱動画を公開し、往時と変わらぬ清らかなボーカルを聴かせてくれた。

自ら作詞を手掛けた34年ぶりの新曲「ビオラ」作・編曲は佐藤良成

9月15日には実に34年ぶりとなる新曲「ビオラ」を配信リリース。タイトルには花の名前と楽器の名前、2つの意味が込められているが、聴く者の背中をそっと押してくれるような世界観は宮崎のイメージそのもの。それもそのはず、作詞は宮崎自身なのだ。

39年ぶりの作詞に関して、本人は「“ビオラ”というお題はプロデューサーさんからいただきました。そこにあることで和ませたり、目立たないけど必要というビオラの花や楽器のような存在が大切だという想いを歌詞に込めてみました。この歌を聴いた皆さんに、少しでも元気になってもらえたら嬉しいです」とコメント。作曲・編曲はハンバートハンバートの佐藤良成が担当し、聴き手を癒すミディアムバラードが誕生した。

2人のコラボレーションは、今年3月、「よしよし。」の企画で、佐藤が大竹しのぶに提供した「きもち」(2017年)を宮崎がカバーしたことがきっかけで実現。その「きもち」も「ビオラ」のカップリング曲として同時リリースされ、配信ジャケットのタイトルとイラストを宮崎が手がけたことも話題を呼んでいる。

歌手デビュー40周年記念アルバム「スティル・メロウ」

そして9月29日には歌手デビュー40周年を記念したアルバム『スティル・メロウ ~40thアニバーサリー・アーカイブス』が通常盤と生産限定盤の2形態で発売された。音楽ファン待望のこの企画、ここからはその内容を紹介しよう。

まずCD2枚組の通常盤は高音質SHM-CD仕様で、宮崎がビクター時代(1981~83年)に発表した全作品を最新のリマスター音源で収録。Disc1には、デビュー曲「NO RETURN」(1981年 / 作詞:八神純子・阿里そのみ、作曲:八神純子、編曲:船山基紀)をはじめ、シングルAB面6曲とそのカラオケ音源に加え、ユーミンや坂本龍一、矢野顕子、鈴木慶一、南佳孝、吉田拓郎、渡辺真知子など、豪華メンバーが作品を提供したファーストアルバム『メロウ』(1981年)の収録曲が網羅されている。

Disc2には、加藤和彦・安井かずみ夫妻、大貫妙子らが作品を提供し、宮崎自身も作詞・作曲に挑戦したセカンドアルバム『わたしの気分はサングリア』(1982年)と、林哲司、桑田佳祐、谷山浩子、井上堯之、後藤次利らが参加したサードアルバム『美子』(1983年)の収録曲をコンパイル。こちらのディスクの楽曲には、松原正樹、今剛、大村憲司、芳野藤丸、吉川忠英、高水健司、後藤次利、青山純、村上秀一、島村英二、井上鑑、新川博、清水信之、浜口茂外也、ジェイク・H・コンセプションなど、超一流のミュージシャンが参加している。

いずれも曲想といい、メロウなサウンドといい、現在ブームとなっているシティポップを象徴する楽曲群。高音質・リマスター音源による今回の復刻は、当時を知るファンはもちろん、海外や若い世代のシティポップマニアをも魅了することになるだろう。

##生産限定盤のスペシャルCDとDVDに注目!
一方、生産限定盤には上記のCD2枚に加え、スペシャルCDとDVD、ブックレットが付属する。スペシャルCDには、新録音の「ビオラ」「きもち」のほか、1987年に近田春夫がプロデュースした2曲(「だからDESIRE」「タカラ本みりん」)を収録。この2曲は宮崎がラップに挑戦した異色の楽曲で、自身が出演したCMでのラップが話題となり、企画化されたもの。長らく復刻が待ち望まれていた貴重な音源が、今回初めてCD化されることになった。

DVDには、「ビオラ」メイキング映像のフルバージョンと、公式YouTubeチャンネル「よしよし。」で公開中の3曲(「早春賦」「みかんの花咲く丘」「ふるさと」)の歌唱映像を収録。1980年に出演し、ブレイクのきっかけとなったミノルタのCM映像も特別に収録されているのが嬉しい。また、オーディオ(静止動画)として、ファーストアルバム『メロウ』他の高解像度(ハイレゾ)音源(96kHz / 24bit)も収録。オーディオファンにも楽しみな特典といえるだろう。

そしてブックレットには宮崎の最新インタビュー(当時のディレクターとの対談)やディスコグラフィー等を掲載。さらにデビュー40周年の感謝を込めた特別プレゼントとして、直筆サイン入りのフォトカードが封入される。宮崎自身が、1枚ずつ手書きでサインを入れるため、特典は完全限定。アニバーサリーイヤーに相応しい充実のこの企画、完売となる前に入手しておきたいところだ。

カタリベ: 濱口英樹

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