神奈川・秦野で「白いじゅうたん」秋の彩り かつて葉タバコの裏作、今や特産

丹沢の山あいで見頃を迎えたソバ「秦野在来種」の花=秦野市寺山

 そばの産地として知られる神奈川県秦野市内各地で、ソバの花が見頃を迎えている。白いじゅうたんを広げたように見えるかれんな花は、秦野盆地の秋に彩りを添えている。

 同市ではかつて行われていた葉タバコ栽培の裏作として、落花生とともにソバの栽培が盛んに行われていた。葉タバコを育てなくなった現在は、特産品として市内各地で春と夏にソバ栽培が行われている。

 同市寺山では、近くのそば店が自家栽培する「秦野在来種」が約3千平方メートルにわたって広がり、山あいを白く染めている。店主の石井貞男さんは「今のところ鳥獣被害もなく順調に育った。風味豊かな秋そばを提供できそう」と収穫を心待ちにしていた。

 また、同市東田原の約6千平方メートルの畑では大山を背にうっすらと雪が降ったかのような景色が広がる。「キタワセ」を栽培する桐山清さんは「収穫は10月中頃。地元の飲食店に卸すので多くの人に味わってほしい」と話した。

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