“エンタメ複合店なのが当店の強みです”「ミュージカル『刀剣乱舞』」展開店舗特集第4弾

「ミュージカル『刀剣乱舞』 五周年記念 壽 乱舞音曲祭」が先月8月18日に発売された。「ミュージカル『刀剣乱舞』」(刀ミュ)の5周年を記念した公演を収録したこの新譜は、過去最多となる21振りの刀剣男士が集結し、今作でしか見られない組み合わせのパフォーマンスを多数収録した内容となっている。都内の渋谷モディ内にある、「HMV&BOOKS SHIBUYA」では、同作のような2.5次元ミュージカルを特に推しており、今回は特設コーナーを設けシリーズの旧作品や関連の書籍などを一緒にアピールしていた。

「お店が入っている渋谷モディのメインターゲットが20~30代の女性ということで、刀ミュなどの2.5次元ミュージカルが好きな層と被る方もかなりいらっしゃいます。またコロナ禍前は2.5次元ミュージカル関連のイベント開催などもしたこともあり、重要なジャンルとして展開しています。」

同店舗の総括店長である目黒さんは、同店舗での2.5次元ミュージカルの位置付けについて語る。「ミュージカル『刀剣乱舞』」の新譜発売にあたっては、従来のファン以外の方にも手に取ってもらえるような工夫をしている。

「新譜だけではなく過去作を揃えて歴代のポップなども展示することで、従来からのファン以外の方にも目にとまるようにラインナップしました。このシリーズは映像作品以外にもファンは関心が高いと感じています。」

2.5次元ミュージカルコーナーのレイアウトを中心となって決めているのが、商品本部音楽・映像商品部の天野さんだ。今回の新譜「ミュージカル『刀剣乱舞』 五周年記念 壽 乱舞音曲祭」についてはミュージカル『刀剣乱舞』シリーズの各公演に出演している刀剣男士が揃い、他の舞台でも活躍する実力のあるキャストが出演するため、普段は見られないやりとりを見ることができるのが魅力だという。

「各様々な舞台で主演となるような俳優が揃っているので、とにかく豪華で見逃す手はないと思います。私も2.5次元ミュージカルのファンですが、今回の新譜は興奮しました。」

なお、新譜は今回、初回限定盤と通常盤、それぞれブルーレイディスク(BD)とDVDの仕様があり合計4種類となっているが、一番売れ行きがいいのは初回限定盤BDとのことだ。天野さんは「今回はBDの比率がとても高いのが特徴です。女性のお客様は、手軽に楽しむことができるという点で、DVDを購入される比率が高いのですが、今作品はキャストも多く出演しているので、せっかく見るなら隅々までキレイにみたいという方が多いのではないかと思われます。」と話す。

天野さんに「ミュージカル『刀剣乱舞』」オススメの曲について聞くと鶴丸国永が歌う「キミと見上げたあの日の空に」だと答えてくれた。

「鶴丸国永を演じている岡宮来夢さんの歌が上手で吃驚しました。凛々しさの他に優しさも感じられて、個人的にはアルファー波が出ているのではないかと思います(笑)。耳にやさしいオススメの曲です。」

渋谷という街は長らくファッションや流行の発信基地とされてきた。そして2010年代末頃からは、特に女性向けのマンガ、アニメ、ゲームなどのポップカルチャーの発信基地としても重要な位置付けになっている。2.5次元ミュージカルもそのカテゴリー内に入っており、書籍なども扱っている同店舗だからこそのアピール方法もあると目黒さんは話す。

「映像作品や書籍など様々な媒体を扱っている、エンタメ複合店なのが当店の強みです。また、店舗で専用の展示スペース「hmv museum」をもっているのでリアルなイベントにもつなげられるという利点もあります。まだ刀ミュに関してはやってはおりませんが、新型コロナウイルスが収まった後などに、イベントを企画していきたいです。このように様々な切り口で、お客さまの「好き」にお応えできる・届けられるという点が、当店の持ち味であり、どこにも負けていないと思います。」

9月5日まで行われる東京パラリンピックの開会式では、『ハイキュー!!』のハイパープロジェクション演劇など、2.5次元演劇やミュージカルを手掛けるウォーリー木下氏が演出を担当し、話題となった。

他にも2.5次元ミュージカル俳優の露出が地上波などで増え、天野さんの肌感覚としては、2.5次元ミュージカルというジャンルが親しみやすくなっている印象を受けるという。

「刀ミュに関しては紅白歌合戦や、様々な歌番組に出場し、8月には舞台『ヒプノシスマイク』が地上波で特集されました。メディアへの露出も増えているので、まずはこの楽しい世界を新しいお客さまに体験してもらいたいと思います。映像や現地へ行って楽しむのはもちろん。その後、推しになった俳優の出演する他の舞台を観たり、グッズを揃えたりできる幅広い楽しみ方があるので、様々な提案を通して、そういった『楽しんだモノ勝ち」な点をアピールしていければと思います。」

天野さんによると、メインターゲットである20~30代の女性以外にも、元々舞台やミュージカルファンである50~60代の人が「ミュージカル『刀剣乱舞』」に興味を持って関連の商品を購入してくれることもあるとのこと。2.5次元ミュージカルは確実にファンを増やし続けている。

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