『短歌タイムカプセル』一千年後の未来に届けたい現代短歌を集めた本

朝読書におすすめの本をご紹介する『まっこリ~ナのCafe BonBon』。小説やエッセイ、暮らしや料理の本など心に効く本をセレクトしています。

今日の「まっこリ~ナのカフェボンボン」の本棚は、『短歌タイムカプセル』

三人の歌人が未来に届けたい短歌を紹介したアンソロジー。現代歌人115人の各20首を選び、短歌の楽しさを伝えます。短歌がきっと好きになる、もっと身近に感じられる一冊をぜひどうぞ。

短歌タイムカプセル
編著:東直子/佐藤弓生/千葉聡
出版社:書肆侃侃房

「ふたりともすることがない一日にホットケーキを切って重ねる」(土岐友浩)「春の日はきみと白い靴下を干す つま先に海が透けてる」(陣崎草子)

もしも未来の人がこの本を読んで「ああ、この気持ち、この感じわかる」と思ってくれたらうれしい。五七五七七のなかの何気ない日常に私は幸福を感じます。

たとえば、一千年後を生きる人も美しい夕陽を見ているでしょうか。夕暮れどきはやっぱりさびしくて心が揺れるでしょうか。「十二色のいろえんぴつしかないぼくに五十五色のゆふぐれが来る」(荻原裕幸)「夕暮れはどうでもいいこと考える あなたが猫を呼んでいるとか」(江戸雪)

めぐる季節、空や緑や花、恋や猫、おいしいごはん。時がたっても変わらないものがきっとあると信じたい。

『短歌タイムカプセル』の「朝時間」には、歌人・杉﨑恒夫の作品を。「卵立てと卵の息が合っているしあわせってそんなものかも知れない」(歌集『パン屋のパンセより』)

ラブ&ピースな一日を。
Love, まっこリ〜ナ

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