新たなインフラ拠点に 5G活用 企業誘致、産業育成へ 上越妙高駅前JM―DAWN

 高速・低遅延の通信規格「5G」を局所的に整備し(ローカル5G)、企業誘致や産業育成、新技術の開発を目指す施設「JM―DAWN(ジェイエム・ドーン)」が上越妙高駅西口に完成し、8日、関係者による式典と報道公開が行われた。11月初旬のプレ開業を目指す。

 事業は昨年、県の「アフターコロナを見据えたイノベーション創出支援事業(オープンイノベーション部門)」に採択され、丸互(上越市春日新田4)やNTT東日本新潟支店をはじめ、産官学金の共同で進めてきた。 

 式典は新潟市中央区のローカル5G拠点「NINNO(ニーノ)」と中継を結び行われた。花角英世知事は「新型コロナウイルスの影響で、東京から地方への(人の)分散が始まっている。人と企業の流れを的確に捉え、県内へ呼び込み、起業の拠点となるよう期待している」、上越市の村山秀幸市長は「企業やスタートアップの誘致が加速すると期待している」と述べた。

新潟市のローカル5G拠点と中継を結んで式典が行われた

 ローカル5Gは高速・低遅延の通信性能が特長。映像は高精細で音声の遅延がないため、映像が重要な会議や大量のデータを高速で処理する仕事で効果を発揮する。両社などは総務省や上越市からの支援も得て、施設と釜蓋遺跡公園にローカル5G環境を整え、施設内にコワーキングスペースやオフィス、スタジオを整備した。

新潟市のローカル5G拠点と中継で結び、チアダンスのレッスンなどが行われた

 施設名の「JM」は上越妙高の頭文字、「DAWN」は夜明けを意味する英語。丸互の前川秀樹社長は「上越市が生き残りを図るには、新たなインフラが必要」、NTT東日本新潟支店の徳山隆太郎支店長は「東日本各地で培った知見を生かし、要望を聞いて試してきたい」と話した。

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