【10月11日〜期間限定公開】誰かのカミングアウト物語が、誰かの救いになる。勇気になる。明日に繋がっていく映画が公開!

2021年10月11日(月)国際カミングアウトデーにあわせ、新宿二丁目にあるバー「九州男(クスオ)」のマスター・かつき(川田美輝)さんを主人公にしたドキュメンタリー映画『沖縄カミングアウト物語 かつきママのハグ×2 珍道中!』が11月30日(火)までの期間限定でYouTubeで公開される。

ゲイであることを話せないまま28歳で沖縄を離れ、38歳のときに意を決して両親にカミングアウト。
およそ8年前の当時の心境や周囲の反応を振り返りながら、かつきさんの「今の幸せな暮らし」が親しい人たちとのやりとりを通して描かれる。

ーー僕たちが地元を離れる理由。そして、また地元に戻ろうと思う理由。

このまま地元にはいられない……
そう思って育った土地や環境を離れた経験をされた方も多いのでは?

主人公のかつきさんは20代になると周囲からの結婚のプレッシャーで島を出ることを決意。誰にもゲイであることを打ち明けられず、「良くも悪くも絆を強く求める沖縄がすごく窮屈になった」(沖縄タイムス紙談)と話す。

その後、人生を共に歩みたいと思えるパートナーと出会ったことで、カミングアウトに踏み切った。
最初は戸惑いを見せた両親だったが、交流を深めるうちに気持ちもほぐれ、今では良き理解者に。カミングアウトを経て、親子の距離は縮まったのだ。

ーーもし自分だったら、家族とどんな対話をしていたのだろうか?

「大切な人と向き合いたい、すべての人へ」というキャッチフレーズのついた本作のビジュアル。
この映画を企画・製作したのは松岡弘明さん。以前からYouTubeチャンネル「カミングアウトハグ」で新宿二丁目で生きる様々な人のカミングアウト・ストーリーを公開している。

松岡さんがこのストーリーを製作するようになったきっかけには、ゲイであることをカミングアウトできずに母親を癌で亡くしたことが起因していた。

一番大好きなはずの母親と最後に向き合えず終わってしまったことをすごく後悔し、もしも自分が母親にカミングアウトできる世界線があったら、どんなふうに対話して分かち合っていけたかをずっと考えるようになったそうだ。それから年月が経ち、たまたま「九州男」さんへ飲みに行った際、かつきさんから自身のカミングアウト・ストーリーを聞かせてもらったことで、「これが僕の知りたかった答えだ」と実感したと言う。

また、色んな人のカミングアウト・ストーリーを聞けたら、ひとりで抱え込まずに気持ちも整理しやすかったんじゃないかと。だから過去の松岡さんのように、カミングアウトで悩んでいる人の気持ちを少しでも軽くできる手助けになればと、配信をはじめるに至った。

ーーカミングアウトで、強い絆が、もっと強くなるとき。

このドキュメンタリーでは「理解する努力をしてくれた両親に、心からの感謝と生んでくれてありがとう」と、かつきさんの素直な気持ちが溢れており、映像に映る親子の姿もまたひときわ温かい。

かつきさん家族へのインタビューを通して松岡さんは、こう感じたそうだ。

人への優しさ、人との繋がりの強さを感じました。撮影でたくさんの人にお世話になったんですが、とても温かく受け入れてもらいました。また、かつきママとご友人、ご家族の会話を聞いていると、とても強い絆を感じました。その繋がりが時に窮屈に感じることもあるかもしれないんですが、話し合うことで、元々強い絆がもっと強くなるようなところがあるように感じました。それはでも、沖縄に限らずどの地域でも言えることだと思うんですがね。

ーーカミングアウトしたことで、絶縁されてしまう人もまだまだ多い日本。カミングアウトすることが全てではないが、自分らしく生きるために伝えることが必要な人もいる。

この映画は、する側だけでなくされる側についても、「カミングアウト」について考えるきっかっけを与えてくれる。また、大切な人ともう一度向き合ってみたい方にも寄り添ってくれる。人生の岐路に立たされたとき、自分なりのカミングアウト・ストーリーに出会えることを願って。

◆ 沖縄カミングアウト物語 かつきママのハグ×2 珍道中!
10月11日(月)21:00〜11月30日(火)23:59までYouTubeチャンネル「カミングアウトハグ」にて期間限定無料公開 ※劇場での映画公開も予定
※CAMPFIREにてクラウドファンディング実施中
YouTubeチャンネル「カミングアウトハグ」

素材提供/松岡弘明
記事制作/newTOKYO

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