【占星術研究家・芳垣宗久×サツキメイ】  2021年後半〜2022年の“運勢”はどうなる!?(後編)

BOOKOUTでのインタビュー記事が好評だった占星術師・サツキメイさん。
そんなサツキさんと、サツキさんの先輩であり、占星術研究家の芳垣宗久(よしがきむねひさ)さんとの対談が実現! 前後編の特別短期連載としてお届けします。

後編となる今回は、2021年後半から、来年2022年にかけての運勢についてお聞きしました。

無理に「時代」に合わせなくてもいい!?

――前編では、2020年から約20年間の時代の大きなテーマの一つとして、「他人を許容すること」というキーワードが挙げられました。
やはり、他人の価値観や自分の生き方を「許容」していくことが、この時代に合ったメンタリティということなのでしょうか?**

芳垣宗久さん(以下、芳垣さん):そうなんですが、とはいえ、それを「みんながそうしろ」っていうと、また押し付けになってしまう。「そうじゃない人たちは遅れていくんだ」なんて言い方をするとおかしいですよね。ですから、矛盾しているようなんですけど、自分なりの取り入れ方をすればいいんじゃないかと考えています。

サツキメイさん(以下、サツキさん):私もそう思います。「自分の取り入れられる範囲で」とか、「参考にする」くらいがちょうどいい付き合い方な気がします。

――「生まれ持った星の配置」について少しお聞かせください。よく星座占いなどで見かける、12星座の特徴がありますよね。実際はそのままでない人も多いのでしょうか?

サツキさん:誕生日だけ知っていればわかる「太陽星座占い」というのは、それはそれでとても便利なんです。「自分はこうでありたい」というのを示すのが、太陽星座ですし、確かに影響も大きい。けれど、実際の占星術では、お一人ずつホロスコープを作成し、最低でも10個の天体を使って占いますから、「あれ、なんか当てはまらないところがある」と感じる方も、もちろんいらっしゃると思います。

(編集部注:いわゆる12星座は太陽星座をもとにしたもので、占星術では自分の出生時間・場所に紐づく「ホロスコープ」をもとに個人の運勢や性質を占うのが一般的)

――確かに、自分の星座の特徴にどこかしら違和感を持っている人もいますよね。

芳垣さん:これも考え方の一つですが、「◯座に生まれたからには◯座のように」っていうものが一つの理想の人格像として心の中にあるって考えなんですよ。ですから、サツキさんが言うように、「自分はその星座っぽくないです」っていうのはそんなに不思議ではないんです。最近では「◯座のあなたの性格はこうなんです」ではなく、むしろそのテーマが自分の人生の中にあり、そこに近づいていくっていう「一種の努力目標」と言いましょうか、そう捉えることが多いですね。
だから、雑誌などで星占いの記事で読むときなども、「できればこうしたいな」くらいでいいと思うんですよね。私は時代に合ってないとか、あんまり悩まなくてもいいと思います。

2021年後半〜2022年の運勢はどうなる!?

(イメージ:写真AC)

――さて、いよいよ2021年も後半戦に入り、2022年もすぐそこに。よろしければ、今年後半から来年にかけての運勢、メッセージをお聞かせください!

サツキさん:2022年も水瓶座土星時期が続くのですが、芳垣先生もおっしゃっているように、キーワードの一つに「流されない、自立する」というのがあって。ただ、その「干渉されなさ」が楽だという人もいるのではと思っているんです。また、居場所も繋がりも、今だとネット上で複数持てるので、一人の相手に全部を求めるのではなく、「この話をするならこの人が合う」というように、分散させることもできる。だからリアルでの友達が少ないとか、何でも話せる親友がいないとか、そこにあまり囚われなくてもいいように思います。

芳垣さん:私も、全然それでいいと思いますね。もうリアルでの対人関係が苦手でも構わないのでは、と。様々な繋がり方ができる時代になってきていますから。

――「孤立」というキーワードをいい方に捉えるといいますか、いい意味での自立と考える、ということでしょうか?

芳垣さん:そうですね。悩んでいる方は開き直っていいんじゃないかな、っていう意味合いです。無理やり繕おうとしなくていいと思います。
実は水瓶座の土星には意外とアクティブな側面もあるんですよね。しっかりしたグループとかネットワークを作ろうとする動きも起こるんです。単純に皆が孤立してしまうと世の中が立ち行かなくなるので、価値観が異なる人々がなるべくうまく付き合っていくためのスタイルも模索されていくと思います。

サツキさん:それと、年末の12月29日には木星が魚座に移動するので、そこから2022年にかけては、世の中のムードが癒しや救いを求めるようになっていくのではないかなと考えています。たとえば困難な状況にいる人たちに対する、セーフティーネットのあり方が見直されていくとか……。

芳垣さん:私もそれを予期しているんです。「癒されたい、救われたい」というムードが出てきて、それを「何とかしなきゃ」っていう人たちの意識が活発化するようになると思います。

サツキさん:ここしばらくで、今の社会が抱える問題、例えばですが、心の病気とか、ワンオペ育児、介護、経済的な悩みに関することなどの情報が広まり、具体的に認知されてきましたよね。だから年末からは、それらを何とかしようという動きが始まっていくんじゃないかと。なので、一人では無理なことは助け合うという流れになっていくように思います。

芳垣さん:あとは、魚座といえば、音楽や美術に関係があるんですよ。ですから魚座に木星が入ることで、心の糧と言いましょうか。音楽とか文学とかいったものもまた、大きく盛り上がるんじゃないかな? 今コロナ禍で活動できなくて、抑圧されていますけどね。コロナが明けたら、反動で、芸術や旅行などのブームが来るかもしれませんね。

「リアルでの対人関係が苦手でも構わない」「一人では無理なことを助け合うという流れになっていく」「音楽とか文学とかいったものもまた、大きく盛り上がるんじゃないか?」。そんなお二人の明るい“未来予測”とアドバイスに、ホッと心を和ませられました。

たとえどんな生き方でも、「それでオッケー!」と太鼓判を押してくれるお二人の言葉に胸に、顔を上げて、ゆっくりと前を向いて歩んでいきたいものですね。

文/国実マヤコ
バナーアートワーク/浮須 恵(フライスタイド)

芳垣 宗久

占星術研究家。ホロスコープを人間の創造力を引き出す思考ツールとしてとらえ、古典から近代のテクニックまで幅広く研究。個人相談や原稿執筆のほか、セミナー・講演等も積極的に行っている。占星術スクール「ヘルメス学園」主催。
Twitter @astrohund
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サツキメイ

カウンターカルチャー世代の占い師。占術は西洋占星術とタロット。時代感覚に寄り添った解釈と、等身大で飾らない文体が特徴。主な仕事歴はSHISEIDO、anan本誌、auなど。個人ブログとTwitterから活動をスタートし、ネットでの人気が各種メディアからのオファーに繋がったという、現代的な経歴を持つ。現在は雑誌・ウェブ媒体での執筆を始め、占いコンテンツの企画・監修等も行っている。
Twitter @meidiamond
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