バス路線なく、坂道は多く…コミュニティーバスが10年走った 記念マスコット、川崎・百合丘高生徒が考案

「山ゆり号」の10周年記念マスコット「ユメノミ」(写真左)とコミュニティーバス「山ゆり号」(川崎市提供)

 川崎市麻生区高石(たかいし)地区を走るコミュニティーバス「山ゆり号」が9月に10周年を迎えたことを記念し、初のマスコットがつくられた。県立百合丘高校(多摩区南生田)の美術部員がデザインしたもので、幅広い世代にバスを知ってもらおうと、地元住民でつくる運営委員会は同校と連携し、マスコットを生かした利用促進に取り組む。

 同地区周辺は道が狭く、急な坂も多い。路線バスが走っていないため住民からコミュニティーバスの導入を求める声が上がり、2011年9月に山ゆり号が導入された。

 運行ルートは小田急線百合ケ丘駅と高石地区を結ぶ約5キロで、計画から運営を地域住民が担う。利用者数は年度別で2万2千人から2万3千人台で安定的に推移しているが、事業を支援する川崎市交通政策室の担当者は「高齢者の利用が多く、さまざまな年代に知ってもらう方法を模索していた」という。そんな中、同駅近くの百合丘高校からマスコット制作の提案を受けた。

 今年7月、同校美術部が手掛けた6候補を対象に、運行地域の住民が投票を行った。その結果、最多得票だった2年の小林さくらさんがデザインしたネコの「ユメノミ」が記念マスコットに決まった。

 小林さんは「幅広い年齢の方に利用していただくことを考え、親しみやすいキャラクターを作りたいと考えた」と振り返る。

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