41歳のネルソン・クルーズがロベルト・クレメンテ賞を受賞

日本時間10月28日、2021年のロベルト・クレメンテ賞の受賞者に41歳の大ベテラン、ネルソン・クルーズが選出された。この賞はコミッショナー、ロベルト・クレメンテ氏の子供、元選手、ジャーナリスト、ファンの投票によって受賞者が決定され、「フィールドの内外を問わず、並外れた人格、地域社会への貢献、慈善活動などを通じてベースボールを最も代表する選手」に贈られるため、「MVP以上の栄誉」と言われることも多い。クルーズは3度目のノミネートで嬉しい受賞となった。

クルーズがドミニカ共和国の北西部に位置するラス・マタス・デ・サンタ・クルスに歯科医と検眼士を連れてきたのは、もう何年も前のことである。クルーズは今でも、歯を失った人々が笑顔もなく、他人の目を見ることのできない状態だったことを覚えているという。「彼らは笑顔を見せるようになった。人々の生活をより良くし、自信を持って生活してもらう。これが僕の誇りなんだ」とクルーズは嬉しそうに語る。

「誰かに認めてもらったり、賞をもらったりするために活動しているわけではない。でも、こうやって認めてもらえるのは嬉しいね」とクルーズ。今年7月にツインズからレイズへトレードされたが、ロベルト・クレメンテ賞にはツインズの代表として選出。「ノミネートされた他の29人の選手も受賞に値すると思う。自分が受賞できたことを神に感謝したい」と他のノミネート選手に敬意を示すことも忘れなかった。

クルーズの故郷では、多くの人々がクルーズの慈善活動による恩恵を受けている。歯科医や検眼士を派遣しただけでなく、警察署や診療所への資金提供、救急車や消防車の寄贈など、クルーズは様々な活動を行ってきた。また、新型コロナウイルスのパンデミックの際には、医薬品や食料の提供、経済的支援などで故郷の人々を手助けした。なお、クルーズはクレメンテについて「追いかけたくなる人、手本にしたくなる人」と話している。

ツインズからのロベルト・クレメンテ賞の受賞者は、1977年のロッド・カルー、1994年のデーブ・ウィンフィールド、1996年のカービー・パケットに次いでクルーズが4人目。ワールドシリーズ第2戦の試合前に、ミニッツメイド・パークで表彰式が行われる。

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