財政難のバルセロナはクーマン監督解任で15億円超の損失… 補強なしでチーム再建の行方は

不振が続くチームに頭を抱えるアグエロ(ロイター)

スペイン1部バルセロナは27日(日本時間28日)にロナルド・クーマン監督(58)を解任したと発表した。24日のレアル・マドリードに1―2、27日のラヨ・バリェカノに0―1に連敗したことで、ジョアン・ラポルタ会長が通告したが、同国紙「アス」は解任によりクラブが支払う契約解除金は1200万ユーロ(約15億7000万円)になる報じている。

クーマン監督とバルセロナの契約は2023年6月末まで。解任によって残り契約期間の給与を補償する必要があり、約1年半で15億円超に達するという。同紙は「ラポルタは、スポンサーとの合意を通じて収入を生み出すのに役立つ良い結果を達成することを望んでいた。しかしチームの連敗はバルセロナのの枯渇した財源を助けていない」とし、総額1600億円超の負債を抱える深刻な財政難の中、苦渋の決断だったようだ。

また、後任監督は発表されていないものの、クラブOBでカタール1部アルサドを率いているシャビ監督の就任が最有力されるが、招聘(しょうへい)には巨額資金が必要となる。仮にシャビ氏と1年半契約を締結した場合、支払額がクーマン監督の違約金と同じ15億円に達するのは確実。さらに現在率いているアルサドとの間に違約金が発生することも見込まれ、バルセロナの台所事情を圧迫するのは間違いない。

このため、来年1月の移籍市場で新戦力補強を行う資金もないとみられており、チーム再建に向けて「現時点で考えられる唯一の解決策は、負傷したプレーヤーが回復し、チームのレベルが向上することを信頼すること」と伝えていた。

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