異常な「明かり」発言批判
コロナ感染者がどんどん減っている。
東京では11日に49人。1年4ヵ月ぶりに50人を切った。9日が82人、10日が60人、3日連続で今年に入って最も少なくなったという。
新聞もテレビも、飲食店の復活、酒の提供、人出が増えたことなどを報じている。
それは、それでむろん喜ばしいことには違いない。
が、感染者が増えているときには連日、あれだけ大々的に報じ続けた新聞が50人を切った翌12日の朝刊、読売、朝日、毎日三紙とも完全にスルー。
あんた方、何か忘れちゃいませんか、と言いたい。
8月25日、記者会見で菅義偉総理(当時、以下同)はワクチン接種がデルタ株にも効果があるとした上でこう語った。
「明かりははっきりと見え始めている」
この発言に対し、記者たちは揃って反論。
「感染のピークも見通せない。国民に明かりは見えていない」
この後の野党、メディアの菅発言批判は異常だった。
8月26日の参院厚労委員会でさっそく、立憲民主党の田島麻衣子参院議員はこう批判。
「数字を見ている限り、明かりが見えている状態だとは思えない。重傷者は連日、最多を更新している。各都道府県で新規感染者も拡大している」
共産党倉林明子参院議員。
「総理には見えているかもしれないが、国民には見えていない」
26日、フジテレビ「バイキングMORE」で坂上忍が皮肉を飛ばした。
「この明かりってどんな明かり?」
続いてコメンテーターの松嶋尚美も。
「明かりなんか全然見えへんし、(首相は)ワクチンをこれだけ押しているが、トータルでは私たちが実感するほど効果が出てない」
菅総理に謝罪したらどうか
予想通り、ひどかったのは29日の「サンデーモーニング」。司会の関口宏ら出演者が揃って批判。
関口宏が「わたしには明かりは全然、見えてません」と口火を切ると、
「菅総理が『明かりが見えている』って、わたし違う世界に生きてるのかなと。わたしには全く(明かりが)見えないんですけども」(谷口真由美氏=大阪芸術大学客員教授)
「『どこに明かりがあるの』って叫んじゃいました」(大宅映子氏=評論家)
悪のりもいいところだ。
むろん、新聞もいっせいに書きたてた。
一例を挙げると、菅総理が辞任を表明した9月4日、毎日新聞は社説でこう書いた。
「我慢を強いられている国民との認識の乖離が浮き彫りになった」
冒頭に書いたようにコロナ感染者がどんどん減っている現在、関口宏や坂上忍、野党の議員、新聞記者たちは、
いったいどの面下げて、仕事しているのか。
8月25日の時点で菅総理が「明かりが見えている」と言ったのは全く正しかったではないか。「明かりが見えてなかった」連中は、要はデータを調べることもせず、見たくないことを見なかっただけだろう。
月刊『Hanada』の常連執筆者藤原かずえさん(ブロガー)たちは、データを詳細、精密に分析することで、早くから第5波の終息を予見していた。
自らの不勉強を棚に上げ、浅薄な聞きかじり情報だけで、菅総理を批判し続けた連中は、自らの不明を恥じ、菅総理に謝罪したらどうか。
メディアや国会で発言するなら、ちゃんと言ったことの責任を取れ!