驚きの人事 アスレチックス・メルビン監督がパドレス監督就任へ

ワールドシリーズの試合がない日本時間10月29日、驚きのニュースが球界を駆け巡った。アスレチックスのボブ・メルビン監督がパドレスとの3年契約に合意したことが報じられたのだ。まだ両球団からの正式発表は行われていないものの、アスレチックスは来季まで契約を残していたメルビンがパドレスの面接を受けるのを認め、メルビンの譲渡に関してパドレスから何らかの対価が支払われることはないという。今後1~2日のうちにメルビンのパドレス監督就任が正式発表される見込みとなっている。

解任されたジェイス・ティングラーの後任となる新監督に「経験」を求めていたパドレスにとって、メルビン獲得はこのうえない最高の人事となったに違いない。現在60歳のメルビンはマリナーズで2年(2003~04年)、ダイヤモンドバックスで5年(2005~09年)、アスレチックスで11年(2011~21年)、合計18年の監督経験があり、現役監督ではトニー・ラルーサ、ダスティ・ベイカー、テリー・フランコーナ、ジョー・マドンに次いで5番目となる通算1346勝(1272敗、勝率.514)をマーク。2007年、2012年、2018年と3度の最優秀監督賞を受賞している。

パドレスを解任したティングラーは、ブラッド・オースマス、オジー・ギーエン、マイク・シルト、ルイス・ロハスといった監督経験者との面接を実施。ブレーブスのロン・ワシントン三塁ベースコーチも候補に挙がっており、ワシントンとの面接を行うためにワールドシリーズ終了まで監督決定を待つとの見方もあったが、A・J・プレラーGMはメルビンがベストの選択であると判断したようだ。

「USAトゥデイ」のボブ・ナイチンゲール記者によると、メルビンのアスレチックスでの年俸は400万ドル前後だったという。アスレチックスは来季に向けて年俸総額の削減が予想されており、実績を重ねて年俸が上昇していたメルビンを手放したいという思惑があったのかもしれない。パドレスの監督探しが終了すると同時に、アスレチックスの監督探しがスタートすることになった。

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