〈上越市長選・上越市議補選〉31日に投開票

 上越市長選挙と同市議会議員補欠選挙(欠員1)は31日に投開票される。市長選は届け出順に元市議の中川幹太氏(46)、前副市長の野澤朗氏(64)=共に無所属=の新人同士の一騎打ち。市議補選は届け出順に日本第一党公認で会社役員の菅原深雪氏(59)、無所属で元中学校教諭の木南和也氏(42)、日本共産党公認で飲食店経営の岩澤健氏(50)の新人三つどもえの選挙戦となっている。同市の有権者数(選挙人名簿登録者数)は23日現在で15万9209人。期日前投票は30日までで、投票は31日午前7時から午後8時まで(一部投票所で繰り上げ)。

◇市長選 2氏激戦 最後まで 票掘り起こしに懸命

 市長選では、現職の村山秀幸氏(73)が11月8日の任期満了をもって退任、人口減少・少子高齢化に加え新型コロナウイルス感染症対応が喫緊の課題となる社会状況の中で、向こう4年間の市政のかじ取りを誰に託すか。平成17年1月の14市町村合併から16年余りを経た地域自治の在り方も問う選挙となる。

【市長選立候補者】右から届け出順。中川幹太氏、野澤朗氏

 中川氏は4年前の前回市長選と同様、特定の政党や業界からの支援を受けず、草の根の選挙活動で支持拡大に奔走している。

 新型コロナウイルス対応では、経済的に苦しむ企業や組織を「直接支援」。加えて、同市から外出あるいは県外から来た人と接触した場合の感染判定を無料、任意で行うとしている。

 地域自治の在り方については、現在の地域協議会制度を「自主審議で話し合われたことに予算がない」と指摘。「地域独自で課題を考え、目的ある予算編成、実行、評価、改善をしていくことが必要」と訴える。

 野澤氏は自民党や企業・団体、8割近い上越市議が名を連ねる支援議員団などと組織戦を展開。有志を中心に勝手連的な動きも支持を広げている。

 新型コロナウイルス対応では、12月の市議会で10億円規模の補正予算を編成して「安心できる医療体制、生活支援、小中学校の教室内の換気などの環境整備」を掲げる。

 地域自治の在り方は、合併時の担当課長だった経験を踏まえ、「理念がなし崩し的になっている点や、現状と合わない点が明らかになっている。市長としての方針を示し、丁寧に緩やかに変えていきたい」と意気込む。

◇市議補選 1枠争いし烈 三者三様に訴え

 市議補選では、4月下旬に田中聡氏が現職のまま死去したことで空席となった1議席を、新人3氏が争う。

 菅原氏は「食の安全」「自然災害」「経済弱者」の安全保障に重点を置き、「若者が将来に夢を持てないようでは(市の)明るい未来像は見えない」「きれいごとは言わず、事実を皆さまにお伝えする」と訴える。

 木南氏は約17年の教員経験から、キャリア教育の重要性を強調。高校卒業後の進学先である大学や専門学校、幅広い分野や職種の企業誘致などを掲げる。「新人らしく謙虚で素直な姿勢で市民に寄り添う」と考えを示す。

 岩澤氏は飲食店経営者の立場から、大規模なPCR検査と持続化給付金再給付などを示し、「新型コロナから命と暮らしを守る」と訴える。地域医療を守り、「困っている人に一途に寄り添う」と姿勢をアピールする。

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