ポージーが引退会見 「世界最高のリーグでプレーできて幸せ」

日本時間11月5日、ジャイアンツを3度のワールドシリーズ制覇に導いた名捕手バスター・ポージーが引退会見を開き、正式に今季限りでの現役引退を表明した。ポージーはジャイアンツとの9年契約が終了し、来季は年俸2200万ドルの球団オプションが行使されることが有力視されていたが、34歳の若さで12年間のメジャー生活に終止符を打つことを決断。「世界で最も才能のある野球選手が集まるリーグでプレーできて幸せだった」と自身のキャリアを振り返った。

メジャーの舞台でプレーすることを「2009年9月に昇格するまで、5歳のときからずっと遠くから眺めてきた」というポージーは、メジャーでプレーしたことの最大のメリットとして「たくさんの素晴らしいチームメイトに出会えたこと」を挙げた。今季はブランドン・ベルト、ブランドン・クロフォードといったワールドシリーズ制覇経験者とともにチームを牽引し、球団新記録となる107勝をマーク。「このような友情を長年にわたって築くことができたのは幸運だと思う。この友情が今後も続くことを楽しみにしている」と話した。

ポージーが現役引退を決断した最大の理由は家族の存在だとみられている。昨季は双子の女の子を養子に迎えるという事情もあり、新型コロナウイルスのパンデミックのなかで出場辞退を決断。多くの時間を家族とともに過ごした。34歳という若さでユニフォームを脱ぐことを決断したのは、家族と過ごす時間の大切さに気付いたからなのかもしれない。ポージーは家族について「素晴らしい瞬間を一緒に祝ってくれた。そして、より重要なのは、最悪の時期にも一緒にいてくれたことだ。そういうときに助けてくれた」と語っている。

ポージーは今季113試合に出場して打率.304、18本塁打、56打点、OPS.889の好成績をマーク。通算1500安打を達成し、通算打率3割台をキープしたままユニフォームを脱ぐことになった。ジャイアンツがポージーの穴を埋めるのは容易ではないが、2018年ドラフト全体2位指名のジョーイ・バート、2020年ドラフト全体13位指名のパトリック・ベイリーという2人のプロスペクト捕手がいる。また、今季ポージーの控えを務めたカート・カサリもFAまであと1年保有可能だ。とはいえ、殿堂入りの可能性も取り沙汰される名捕手の穴は簡単には埋まらない。ジャイアンツのフロントオフィスの手腕に注目したい。

© MLB Advanced Media, LP.