歴代の作陶、堪能を 京焼名門「永樂」展、28日まで

 室町時代から続く京焼の名門、永樂家の作品約250点を紹介する「永樂歴代と十七代永樂善五郎展」が16日、横浜駅西口の横浜高島屋ギャラリーで始まった。神奈川新聞社などの主催。28日まで。

 永樂家の祖先は奈良・春日大社の祭器を作る家柄だったという。室町末期に茶人の武野(たけの)紹鴎(じょうおう)に応じて、茶の湯の釜をかける土風炉を焼き、家業とした。会場には、六代作の風炉をはじめ、歴代による茶わんや水指、香合などが並ぶ。

 当代の紘一さん(72)は、1998年に十七代善五郎を襲名。茶道具を中心に、華やかな作風を受け継いできた。「お茶わんならば、お茶を飲む人が和らぎや楽しさを感じるものでなければ、お茶道具にはふさわしくない。使う人が手に取ったとき、心に安らぎや精神的な安定を感じられるのが理想」という。

 茶道をたしなむ人が減っている現実には「今の20代の人々が楽しめるお茶のあり方を、もっと考えられるような気がする。だからといって簡略化すればいいというのでもない。わずかだが若い男性が増えており、それぞれが面白いなと興味を覚えるところがあるのではないか」と心を寄せる。

 歴代の作品がこれほど集まったのは貴重な機会で、時代の変化に対応してきた技術としなやかな感性を持った代々の作陶ぶりを堪能することができる。

 入場料は一般800円、高校・大学生600円、中学生以下無料。問い合わせは横浜高島屋電話045(311)5111。

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