昨年保留第1号の中日・木下拓は納得の一発更改 来季以降も「木下拓」表記貫く

倍増で一発更改した木下拓(東スポWeb)

中日の木下拓哉捕手(29)が10日、ナゴヤ球場で契約更改交渉に臨み、倍増の年俸4800万円(推定)でサインした。

昨年は初交渉の増額提示に納得せず保留第1号となり、さらに球団側の報道対応などを巡ってプロ野球選手会が抗議文を送るなど契約交渉が大荒れとなったが、今オフは一発更改。今季は自己最多の123試合に出場し、打率2割7分、チーム日本人最多の11本塁打、43打点と長打力を発揮したほか、12球団トップのチーム防御率3・22をマークした投手陣も好リードした。

いまや正捕手の筆頭株は「去年はいろいろあったので…。今年は十分な金額だったのでサインしました」と笑顔。しかし、チームは5位に低迷したとあって「自分が多く出たシーズンでこのような成績だったので捕手としてすごく責任を感じている。自分の中で自信をもってドラゴンズの正捕手だと言えるところまでは来ていない。でも正捕手としてやらなければという自覚はある。来季が終わったときに胸を張って言えるような成績を残したい。個人成績もそうだし、チームの順位で示したい」と意気込んでいる。

8月3日に木下雄介投手が27歳で急逝する悲劇が起き、同17日に支配下選手登録が抹消されたことで木下姓はチーム内で一人になった。しかし、その後もバンテリンドームなどのスコアボード表記は「木下拓」を通してきた。

来季以降も「引退するまで変えるつもりはないです。簡単な言葉では言い表せないけど、雄介の分までという気持ちです」と打ち明け「木下拓」表記を貫くことを示唆した。

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