「寝る前の10分」で変化!睡眠の質を向上させる7つの方法

きちんと寝ているつもりでも疲れていたり、朝の目覚めが悪かったり、それでいてなかなか寝付けなかったり。

「よく眠れた」と思えない日々が続くのは、睡眠の質が悪いせいかもしれません。睡眠の質が悪いと体だけでなく脳や心にも不調を促してしまいます。

睡眠の質を向上させることで、寝覚めの良いスッキリとした朝を迎えられるはず。ここでは簡単にできる睡眠の質を向上させるための7つの方法と、日常生活で気をつける点について、ご紹介します。

「質の良い睡眠」とは?

質の良い睡眠とは、「ぐっすり眠れていること」、「寝付きが良いこと」、「寝覚めがスッキリしていること」、「日中の活動に疲労感がないこと」が条件として挙げられます。

しかし実際は、布団に入ってもなかなか眠れなかったり、朝なかなか起きられなかったり日中は眠くて仕方なかったり、といった睡眠に関する悩みはつきません。

その証拠に、健康・美容器具を扱う企業である「フジ医療器」が2020年に約5,000人を対象に行った「第7回 睡眠に関する調査」によると、睡眠への不満を抱えているのは全体の93.8%という結果が出ています。

質の良い睡眠は、体を健康に保つだけでなく気分もリフレッシュさせて、脳と心も健康にしてくれるもの。

睡眠に関する不満を取り除くにはどうすれば良いのでしょうか。

「寝る前の10分」でやろう!睡眠の質を向上させる方法

睡眠の質を向上させるには、睡眠時間さえ長く取れば良い、というわけではありません。

より良い睡眠を実感するには、睡眠環境を整えることが大切です。そして睡眠環境を整えるには、寝る前10分の時間さえ確保すればOKです。

帰宅後は忙しくゆっくり時間を取れない人でも寝る前の10分に次に紹介する内容のうち、いくつかを取り入れれば、睡眠の質を向上させられるでしょう。

全部取り入れなくても良いので、できそうなものから始めてみることをおすすめします。

(1)ベッドの上で軽くストレッチをする

ベッドに移動したらそのまま目を閉じるのではなく、軽くストレッチをしてみてください。ストレッチで凝り固まった筋肉をほぐすことで、血流が良くなり睡眠の質が向上します。

おすすめのストレッチは、首の後ろを伸ばすストレッチと胸を開くストレッチです。

首の後ろと胸は、パソコンやスマホなどの使用によって、凝り固まっている部分。ほぐすことで脳への血流が促されてリラックスできたり、睡眠時の呼吸が良くなったりします。

(2)落ち着く匂いでリラックスさせる

匂いは人の感情や脳にダイレクトに働きかける存在です。寝る前に心身をリラックスさせる香りに触れることで、体と心を穏やかな状態にさせられます。

リラックスさせる香りといえばカモミールやラベンダーなどが代表的です。しかし香りの好みはそれぞれ。
自分が1番落ち着く、と思える香りであれば好きなものを選んで構いません。

ただし、コーヒーや緑茶の香りが落ち着くから……と寝る前にカフェインを飲むのは避けた方が良いです。カフェインの入った飲み物は脳を覚醒させてしまいます。楽しむのは鼻でのみにして、口にするのであればノンカフェインタイプを選びましょう。

(3)締め付けの強い衣類は着替える

締め付けのきつい衣類は、睡眠中の体温の変化を妨げるとされています。
ナイトブラを着けて寝る人もいるかと思いますが、睡眠の質を向上させるのであれば、締め付けがないラクなタイプを取り入れてください。

また下着だけでなくトップスやボトムスも、少しゆるいくらいをおすすめします。

(4)刺激的な情報はシャットアウト

寝る前に興奮してしまうような情報は、見聞きしないようにしましょう。たとえば寝る前に仕事のメールを読んでしまったり、好きな芸能人のニュースを知ってしまったり、というのは避けた方が良いです。

また、寝る前にスマホ・PCといった明るい画面を見ると目と脳が刺激され、睡眠の質に悪影響を及ぼすともされています。

心にも目にも脳にも刺激を与えないように、寝る前は液晶機器に触れるのを避けた方が無難です。

(5)90分サイクルの睡眠を目指して目を閉じる

人間の基本的な睡眠サイクルは90分単位で成り立っています。

入眠20分後に深い眠りに落ちその後1時間後に次第に浅い眠りに切り替わり、入眠から1時間半、およそ90分経過したあたりで、もっとも浅い睡眠になるとされています。

浅い眠りのときに目を覚ますと、寝起きが良いです。逆に深い眠りのときに目覚めると眠気が取れず、寝起きのだるさを感じてしまいます。

このことから、入眠の時間は起きる時間から逆算をして、ちょうど90分のサイクルにあてはまる時間に眠りにつくと良いでしょう。朝の6時に起きる人であれば22時半か24時には眠っておくと、90分サイクルに合わせられます。

(6)6分前から読書を始める

ベッドで本を読んでいると眠くなってくる、という経験をしたことはないでしょうか。読書には人をリラックスさせる効果があるとされています。そしてリラックス効果が発揮するのは、読書開始から6分後が目安です。

頭の中がこんがらがっていたり考えることが多かったりする人は、睡眠6分前から読書をしましょう。

ただしスマホ・タブレットの明かりに触れるのは避けた方が良いため、タブレットブックではなく紙の本を選ぶのがおすすめ。また本を読む環境も大切です。明るすぎないライトの下で読むようにすること、気持ちを昂ぶらせない本を選ぶことなども心がけましょう。

(7)目を閉じたらほっとするものを思い浮かべる

目を閉じてからは、ほっとするものを思い浮かべてください。

今日あったイヤなことは、シャットアウト。大好きな人の顔やペット、音楽を思い出したりすると良いですよ。イヤなことが頭をちらつくかもしれませんが、頭に思い浮かぶ癒やしの存在に意識を集中しましょう。

食生活・体内時計の管理も大切

質の良い睡眠を得るには、食生活や日常生活での注意も必要です。

食生活・日常生活で気をつける内容を下記にまとめました。

【睡眠の質を向上させる食生活】

  • タンパク質をしっかり取る(睡眠が浅い人はタンパク質摂取が少ない傾向がある)
  • 就寝時に内臓に負担をかけないように睡眠の3時間前には食べ物を口にしない
  • 朝食を食べる習慣をつけて体内の消化リズムを整える
  • 睡眠を浅くするアルコール・カフェイン・たばこの摂取は控える

【睡眠の質を向上させるために日常生活で気をつけること】

  • どうしても眠くて昼寝をするときは20分以内にとどめる
  • 適度に体を動かし、夜にはほどよく疲れている状態にする
  • 休日もなるべく生活サイクルを崩さない

バランス良く食べ、健康的な生活を心がけることで、睡眠の質が向上します。すべてを守るのは難しい場合、できることから取り入れてみてください。

寝具の見直しも検討しよう

眠りの浅さは寝具によるもの、という可能性も考えられます。

寝ているときの体温調節がしやすい、吸湿・放湿・保温性に優れた寝具であること、体をほどよく包む堅さのマットであることなどが、良い寝具の条件です。

また、枕も重要です。枕は肩まで支えられるくらい大きいもの、もしくは首とベッドの間に隙間ができない形状のものが良いとされています。

しかし寝具は好みもあるため、「心地良い」と思えることが大切です。心地良さを優先したうえで寝具の機能や形状に、注目してみましょう。

まとめ

質の良い睡眠は、日常生活のストレスや疲れを軽減させてくれます。寝ているのに疲れが取れなかったり、朝起きたときや日中にだるさを感じたりする場合、睡眠の質を疑ってみてください。

睡眠の質を上げるために、できること・心地良いと思える対策を取り入れて、朝や日中を快適に変化させましょう。

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