コンビニが走ってきた!? 日産 NT100クリッパー「ローソン移動販売車」【はたらくクルマ】

社会や人々の生活を支える、トラックやバンなどの “はたらくクルマ” たち。しかし高性能なスポーツカーや、豪華な装備を誇る高級車ほどに注目されることはあまりない。そこで、そんな縁の下の力持ちにスポットを当てる企画「#日産あんばさだー はたらくクルマ3」が、2021年11月23日(祝)に神奈川県横須賀市のGRANDRIVEで開催された(そういえば11月23日は「いい日産の日」!)。毎年1回行われる「はたらくクルマ」では、様々な角度から日産のはたらくクルマを紹介。2019年からスタートし、今年で3回目となる今回は、どんなクルマ たちが来ていたのだろう。まず最初に紹介するのは「走るコンビニ」だ!

日産 NT100クリッパー「ローソン移動販売車」日産自動車イベント「#日産あんばさだー はたらくクルマ3」[2021年11月23日(祝)/会場:GRANDRIVE(グランドライブ/神奈川県横須賀市)] [photo:NISSAN]

意外!? 都市部でも活躍する「NT100クリッパー」のローソン移動販売車

「コンビニエンスストアの移動販売車」と聞いて、どんなシチュエーションを思い描くだろう。多くの人は、山間部など買い物に不便な地域を巡回する「移動スーパー」的なイメージを持つのではないだろうか。日産の軽トラック「NT100クリッパー」がベースの「ローソン移動販売車」を見た時、筆者もそう思った。

でも、この移動販売車は、なんと都市部で活用されているクルマと聞いて驚いた。たしかに、会場に来ていた移動販売車のドアには、横浜市磯子区に所在の「ローソン栗木一丁目店」と書かれている。

都市部では、ふだんの生活において買い物に困ることはあまりない。しかし例えば老人ホームやデイサービスなどの高齢者施設では、入居する高齢者の方々は外出も買い物をする機会も少ない。そこで移動販売車が施設を訪問し、買い物を楽しんでもらうのだという。

移動販売車を地域交流やコミュニティ創出に使う、ローソンの発想の豊かさに感銘を受けた。

高齢者施設や公園などで地域に根ざした定期販売を実施

ローソン栗木一丁目店では、毎週金曜日に公園や幼稚園、特別養護老人ホームなど7カ所をきめ細かく定期訪問。高齢者施設のみなさんは、移動販売車での買い物をとても楽しみにしているとのこと。

日産のイベント「はたらくクルマ3」に来場していた、実際にこのクルマで移動販売を行う女性店員さんにお話を伺うと「軽自動車でオートマチックなので、運転はラクラクです。車体が小さいので、驚くほど狭い場所にも入っていけます。おじいちゃんおばあちゃんが喜んでくれるのが、本当に嬉しいです」と笑顔で語っていた。

買い物だけでなく、「買い物をする楽しみ」まで届けてくれる「やさしいサービス」に、日産の軽トラックが大活躍しているのだ。

小さなコンビニエンスストアが各地で活躍の場を拡げていた

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車両自体もよく考えて設計されている。軽トラックの小さな車体ながらも、冷凍・5℃・20℃・常温の4温度帯の商品を積載可能。ティッシュやトイレットペーパーなど、かさばる日用品も販売できる。

商品陳列も極力コンビニ店舗のイメージに近づけており、まさに「小さなコンビニエンスストア」といった趣である。

身近にやってくる「マチのほっとステーション」

スライド式に引き出される冷凍庫の中身は冷たい「アイスクリーム」や「アイスバー」などの冷菓類! 移動販売車の中でも特に売れ筋商品なのだという

なおローソンでは、この移動販売車を活用して、限界集落での買い物環境向上を図る「移動販売サービス」や、電話注文で自宅まで商品を運んでくれる「お届けサービス」、工事現場や工場、学校のイベントなどでも移動販売を実施。近年では、自治体や行政との連携も進んでいるという。

移動販売車はどこに行っても大人から子供まで大人気とのことで、「はたらくクルマ3」でも、常に人が集うスポットになっていた。

[筆者:遠藤 イヅル/撮影:MOTA編集部・NISSAN]

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