マリナーズ サイ・ヤング賞左腕・レイと5年1億1500万ドルで合意

再建期を終えて本格的に勝負モードに突入しようとしているマリナーズが大型補強を実現させた。メジャーリーグ公式サイトが関係者から得た情報によると、マリナーズはブルージェイズからFAとなった先発左腕ロビー・レイと5年1億1500万ドルで契約合意。全球団に対するトレード拒否権のほか、3年目のシーズン終了後にオプトアウト(契約破棄)できる権利も盛り込まれているようだ。パドレスからトレードで獲得したアダム・フレイジャーに加えて今季サイ・ヤング賞に輝いたレイの獲得にも成功し、マリナーズは着実に戦力をアップさせている。

現在30歳のレイは、今季ブルージェイズで32試合に先発してリーグ最多の193回1/3を投げ、13勝7敗、防御率2.84、248奪三振の好成績をマーク。最優秀防御率と最多奪三振の二冠を獲得し、サイ・ヤング賞も受賞した。ダイヤモンドバックスとブルージェイズでプレーした2020年は防御率6.62という大乱調だったが、サイ・ヤング賞を受賞した投手の前年の防御率としては歴代ワーストの数字である。

マリナーズの先発ローテーションからは年俸1300万ドルの選手オプションを破棄してFAとなった菊池雄星が抜けたが、菊池がサイ・ヤング賞左腕のレイに代わったと考えれば大幅な戦力アップと言えるだろう。現時点ではレイ、マルコ・ゴンザレス、クリス・フレクセン、ローガン・ギルバート、ジャスタス・シェフィールド、ジャスティン・ダンといった顔ぶれの先発ローテーションとなるが、マリナーズがさらなる先発投手補強に動く可能性も残されている。

問題はレイの今季の大ブレイクがホンモノなのかという点だろう。今季は自己ベストの与四球率2.42をマークしたものの、2014年のメジャーデビューから昨季まで制球面に課題を抱えてきた投手であり、今季を除けば2017年の15勝5敗、防御率2.89、218奪三振という成績が目立つくらい。ただし、この年は規定投球回ギリギリの162イニングしか投げていない。今季の大ブレイクがホンモノであれば、5年1億1500万ドルという契約はバーゲンになる可能性もあるが、果たして。

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