正確な会計資料要望 補正予算案 「権現荘」補てんで質疑 糸魚川市議会

 29日開会した糸魚川市議会12月定例会に上程されている市一般会計補正予算の新型コロナ対応に伴う柵口温泉権現荘管理運営事業の指定管理料補てん(約1700万)に関して、同日の本会議で質疑が交わされた。

 保坂悟氏は、権現荘(同市田麦平)の指定管理を受けている市の第三セクター、株式会社能生町観光物産センター(同市能生小泊)について、同社が運営する「マリンドリーム能生」の各小売店から権現荘へ納品する際の金額設定や仕入れ値の動きなどを取り上げ、「費目別にきちんと数字を出して事業者の工夫や努力が見える形の説明を」と求めた。

 古畑浩一氏も、権現荘の魚の仕入れ額を含めて赤字の内訳の不透明さを指摘。マリンドリーム能生と権現荘を区分けした正確な会計の提示をあらためて要望した。高野一夫能生事務所長は「各部門ごとに独立した計算になっている。仕入れ額は詳しくは把握していない」と答えた。

 同案件の審査は建設産業常任委員会に付託される。

納入3鮮魚店に仕入れ値の上乗せ依頼か 能生町観光物産センター

 糸魚川市の第三セクター、株式会社能生町観光物産センターが、平成29年4月以降、市の指定管理者として運営している柵口温泉権現荘へ鮮魚などを納入する業者に、市場からの仕入れ価格に2割を上乗せして納入するよう依頼していたことが、上越タイムス社の取材で分かった。

 入手した文書によると、同社は指定管理契約前の同年3月末、運営する「マリンドリーム能生」内の鮮魚店3店に「権現荘の仕入れについて」と題した文書を送付。権現荘の鮮魚関連の仕入れは3社の輪番制とし、鮮魚および海産物(加工品含む)は、3店とも仕入れ価格に2割を上乗せして納入するよう求めている。

 同社関係者によると、権現荘に納入された鮮魚などの価格は、高い時で同業者の仕入れ値と比較し、5~6倍に上ったこともあるという。上乗せをしていた期間や上乗せ率は今のところ分かっていない。

 権現荘は平成28年、食材原価率の引き上げやずさんな収支管理が問題視された。健全経営や赤字改善を図るため、市は同29年度に直営から指定管理者制度へ移行した。

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