岸田総理、憲法議論求めるも、どの部分か答えず

 岸田文雄総理は8日の衆議院本会議・代表質問で立憲民主党の泉健太代表から、憲法改正について6日の所信表明で「与野党の枠を超え、国会において、積極的な議論が行われることを心から期待する」と述べたことを受けて「総理は時代の変化に対して、現行憲法のどの部分に、どのような決定的な問題があると考えるのか、是非、説明していただきたい。まず、その内容を国民に示していただく必要があるのではないか」と提起された。

 しかし、岸田総理は「与野党の枠を超え、国会で議論されることを期待するが、現行憲法のどの部分に、どのような課題があるかを含め、憲法改正の具体的な内容については国会でお決め頂くことであり、総理として答えることは差し控えたい」などと「積極的議論を期待する」と求めながら、具体の認識について問われているにもかかわらず、示さないという訳の分からない姿勢をとった。

 そのくせ「われわれ国会議員は大きく時代が変化する中にあって、現行憲法が時代にふさわしいものであり続けているかどうか、その在り方に真剣に向き合っていく責務がある」などと述べ「国会での議論と国民の理解は車の両輪。広く国民の議論を喚起し、理解を広めていくことが重要である」と、何について議論し、国民に何の議論を喚起するのか、触れない答弁に終始した。

 一方、泉氏は「立憲民主党は立憲主義を掲げる政党。日本は将来にわたり、過度の権力集中も、政治権力の強大化も、権力暴走も許してはならない。我が国の歴史を振り返っても、世界各国の騒乱をみても、歯止めがかからない権力ほど国民にとって恐ろしいものはない」と語り「現行憲法によって、国民の自由と権利が守られていること、我が国の平和と国民生活の平穏が守られていること、現行憲法の役割は非常に大きい」と強調し「立憲民主党はこのことを広く国民に伝えてまいりたい」と現行憲法のすばらしさを語った。(編集担当:森高龍二)

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