カージナルス解任のシルト前監督 コミッショナー事務局に加入か

「USAトゥデイ」のボブ・ナイチンゲール記者によると、フロントオフィスとの考え方の違いによりカージナルスの監督を解任されたマイク・シルトはコミッショナー事務局での仕事を得る見込みとなっているようだ。現在、コミッショナー事務局ではオン・フィールド・オペレーション部門をマイケル・ヒル上級副社長(前マーリンズ編成本部長)が取り仕切っているが、シルトはヒルのもとで役職を与えられる予定だという。2003年からカージナルス一筋のシルトは、久しぶりにカージナルスを離れて働くことになりそうだ。

現在53歳のシルトは大学まで選手として野球をプレーしていたものの、「カーブが打てなかった」(本人談)ためプロ入りを諦めて指導者に転身。高校野球や大学野球での指導者としての実績を評価され、スカウトとしてカージナルスの球団組織に加わった。その後はマイナーのコーチや監督を歴任し、2017年からメジャーのコーチに昇格。2018年からベンチコーチとなり、同年途中にマイク・マシーニー(現ロイヤルズ監督)が解任されると、暫定監督としてチームの指揮を執り、手腕を評価されて正式に監督に就任した。

2019年はチームを3年ぶりの地区優勝とポストシーズン進出に導き、プロ野球選手経験のない監督としては史上初めて最優秀監督賞を受賞。2020年は新型コロナウイルスのクラスター発生を乗り越えて2年連続のポストシーズン進出を果たし、今季は9月に球団新記録となる17連勝の快進撃を見せ、3年連続でポストシーズンに進出した。選手からの信頼も厚く、カージナルスから解任されたあとはパドレスの新監督候補にも挙げられていたが、他球団で指導者のキャリアを継続するのではなく、コミッショナー事務局に加わることになったようだ。

移籍情報サイト「MLBトレード・ルーマーズ」は「シルトはまだ53歳であり、監督やコーチとしての仕事を希望すれば、ダグアウトに復帰するための時間は十分に残されている」と指摘。まずはカージナルスで培ったスキルをコミッショナー事務局のオン・フィールド・オペレーション部門でどのように活かしていくか注目したい。

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