朝鮮の企業責任管理制、国家予算をテーマに 「季刊 朝鮮経済資料」2021年第4号

季刊 朝鮮経済資料」(発行=KAN経済研究所)2021年第4号が発行された。社会主義企業責任管理制や国家予算など朝鮮経済を読み解くうえで重要なトピックをテーマにした論文などを扱っている。

①論文翻訳・社会主義企業責任管理制を現実的に実施するうえで提起される重要な問題(解説・訳:洪忠一)は、表題の問題について国家レベルと企業所レベルに分けて解説したもの。同制度は金正恩時代の経済を象徴する重要な経済政策で、その導入過程における諸問題を見ることは、「朝鮮経済の実情を垣間見るうえで一助となる」と解説者は指摘している。

②論文翻訳・国家予算戦略作成のための実態分析において提起される諸問題(解説・訳:柳 学洙)は、国家予算の戦略を科学的に作成・管理するための分析モデルを扱った論文。朝鮮の経済規模を推し量るうえで重要なトピックである国家予算について、「将来的な展望を予測し、戦略的に管理するための計量分析的な手法を提案している本稿の興味深い点」と解説者は評している。

③民主朝鮮紙の法規解説:修正・補充された糧政法について(解説・訳:朴在勲)で解説者は、2015年の法改正との比較に基づいて修正・補充された同法の特徴を4点で整理し、「法改正の内容を通じてこの間、朝鮮の食糧行政において起きている組織的、制度的変化が見て取れる」と指摘する。

④トピックス・経営分野の学術論文を国際誌に発表(姜日天)では、金日成綜合大学経済学部教授4人の論文が「ナレッジマネジメントの国際誌」(vol.16、No4、2020)に掲載されたことを紹介した。自然科学の分野では国際学術誌における朝鮮科学者らの論文掲載数が増加傾向にあることをデータで示したうえで、「経営分野の国際学術誌への投稿は知る限り初めて」と意義付けした。

「季刊 朝鮮経済資料」は、朝鮮の学術誌に掲載された論文の翻訳および解説を主なコンテンツとする朝鮮経済の専門誌。在日朝鮮人の朝鮮経済専門家から成る朝鮮経済研究会が編集する。購入、定期購読をご希望の方はこちらから(kan_econo_ins@yahoo.co.jp)。

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