【新型コロナ】米メルク開発の飲み薬、24日に承認へ 国は年内に20万人分の供給体制構築を急ぐ

 新しい医薬品の承認などを審議する厚生労働省の専門部会が、今月24日に開かれる見通しとなった。この日の審議には、米製薬大手メルクが開発した新型コロナウイルス感染症に対する初の飲み薬(経口治療薬)の承認についても議題に上る予定で、承認されれば、国はメルクと協力して年内に飲み薬を処方できる体制を構築する。

承認後、20万人分を指定薬局へ配送見込み

 24日に開催される専門部会で承認について審議されるのは、米メルク社が開発した新型コロナウイルス感染症に対する飲み薬(経口治療薬)「モルヌピラビル」。今月3日に臨床試験の結果に基づいて同社が申請していたもので、発症5日以内の軽症〜中等症患者に対し、重症化リスクを30%低下させる効果があるとしている。開発当初に予想されていた成績よりは下回るものの、現在使用できる治療薬は点滴処方のみのため、承認されれば医学上の管理がしやすくなり、医療現場の負担を軽減できるとして期待されている。また患者側にとっても、症状によるが自宅で飲み薬を飲んで療養できるようになるなど、メリットは大きい。

 厚労省は当日の部会で承認について了承されれば速やかに正式承認し、政府が目標としていた年内の供給体制構築に向け、メルク社側と協力して薬局への配送を行う見通し。すでに同社とは承認を前提に、年内に20万人分、トータル160万人分の供給を受けることで合意している。

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