適切な診療怠り男性患者死亡 横浜の病院側に790万円賠償命令

判決を受け記者会見する男性の遺族ら=15日午後、横浜市中区

 横浜南共済病院(横浜市金沢区)で、医師が男性患者の腫瘤(しゅりゅう)に関して適切な診療を怠った結果、十分な治療を受けられずに死亡したとして、遺族が病院側や医師2人を相手取って約7800万円の損害賠償を求めた訴訟で、横浜地裁(山田真紀裁判長)は15日、病院側と医師1人に慰謝料など計約790万円の支払いを命じた。

 判決などによると、男性は2006年8月、同院での検査で下腹部の腸間膜部に腫瘤が見つかった。担当医師は消化器内科の医師に腫瘤に関する精査を依頼。消化器内科の医師は腸間膜部の腫瘤と直接関連しない大腸の内視鏡検査を行った。さらに、担当医師はこの検査に関する報告書を確認していなかった。

 男性は翌年、下腹部の張りを訴え、同院で検査を受けた結果、がんとの診断を受けた。08、09年に2度、別の病院で摘出手術を受けたが、10年6月にがんによる腎不全で70歳で亡くなった。遺族が14年10月に提訴していた。

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