【新型コロナ】空港検疫以外でオミクロン株の感染を初確認 東京都が発表

 東京都は16日、空港検疫以外で初めて、東京都民1人がオミクロン株に観戦していることが分かったと発表した。小池百合子東京都知事が記者団に答えた。直近に海外渡航歴があり、空港検疫で陰性だったため自宅待機中だったという。

濃厚接触者が12日、等々力競技場でスポーツ観戦

 東京都が発表した内容によると、オミクロン株への感染が明らかになったのは、海外から帰国して自宅待機中だった都民1人(性別等の発表はまだない)。
空港検疫では陰性だったため都内の自宅待機中だったが、新型コロナの感染が判明したため、都が独自にゲノム解析したところ、オミクロン株への感染であることが分かったという。なおこの人物の濃厚接触者の1人も新型コロナに感染していることが15日に確認されており、現在ゲノム解析中だとしている。

 都はさらに、この濃厚接触者が今月12日に等々力競技場で開催された天皇杯準決勝を観戦していたことも分かったと発表した。同日、この濃厚接触者の付近で観戦していた人80人について、濃厚接触者として検査を行うとしている。都ではまた、この日観戦していて体調が優れない人は、医療機関で検査を受けるよう呼びかけた。

 小池都知事は都でもこうした積極的な疫学調査を行うとしたうえで、「指定国以外からの入国者はすぐ自宅に帰ることができるが、実際に感染者が出てしまっている。国として検疫の考え方をより確実にしてもらいたい」と国に要望するとともに、帰国者に対しても「自宅に戻った方は、次の濃厚接触者を作ってしまうかもしれないことも念頭に行動してもらいたい」と語った。

 なお厚生労働省は、競技場での観戦者に感染者が出たことについて、その時点で感染が確認されていたわけではないとして、市中感染が起きたとは考えていないとコメントしている。

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