<冬きらめく2021> “祈りの島” ほのかな光

穏やかな海面に映り込む、信徒手作りのイルミネーションに彩られた中ノ浦教会=新上五島町

 穏やかな水面に、ほのかなイルミネーションに彩られた聖堂が浮かび上がる。水鏡がつくり出す、心が洗われる光景に出合った。
 長崎県新上五島町は29の教会が点在する“祈りの島”。町教委文化財課によると、2020年12月末現在で1万8482人が暮らし、26.47%に当たる4893人がカトリック信徒という。
 キリストの誕生を祝おうと、1925年献堂の中ノ浦教会(宿ノ浦郷)では、クリスマスに合わせて12月上旬から約1カ月、信徒が教会一帯に電飾を施している。なぎで、雨風がないなど条件がそろえば、聖堂が水面にはっきりと映り込むこともある。
 信徒代表の杉本久仁さん(57)は「イエスさまの誕生日を迎えるために飾っており、準備は苦にならない。教会は信徒が集まって祈りをささげる場。守っていきたいし、イルミネーションも続けたい」と語った。

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