メッツ ゾーズマーが分析ディレクターからGM補佐に昇進との報道

メジャーリーグ公式サイトが関係者から得た情報によると、メッツは分析ディレクターのベン・ゾーズマーをGM補佐に昇進させることを決めたようだ。ハーバード大学出身のゾーズマーは、ドジャースに6年間在籍して2020年シーズンのワールドシリーズ制覇に貢献。今季から分析ディレクターとしてメッツのフロントオフィスに加入した。メッツでは現在、サンディ・アルダーソン球団社長とビリー・エプラーGMのもとでブリン・アルダーソンとイアン・レバインがGM補佐を務めており、ゾーズマーは3人目のGM補佐ということになる。

ゾーズマーが加入した時点で、メッツのフロントオフィスにはデータ科学に通じたアナリストが1人しかいなかった。しかし、ゾーズマーとともにデータ分析部門の拡張を進め、メジャーリーグ公式サイトでメッツを担当するアンソニー・ディコーモ記者によると、現在は合計25人以上のアナリスト、エンジニア、コーディネーターを抱えているという。メッツに加入してまだ1年足らずのゾーズマーだが、チームへの貢献が高く評価され、GM補佐への昇進が決定したとみられる。

幼稚園のときに『マネーボール』を読んだというゾーズマーは、有名なアナリストであるビル・ジェームス、ネイト・シルバー、トム・タンゴらに影響を受けてきたことを認めている。趣味は統計データを用いてアカデミー賞の選考結果を予想すること。ブラッド・ピットが主演した『マネーボール』がノミネートされた第84回(2011年)のアカデミー賞では、野球関連の作品を贔屓することなく『アーティスト』が選ばれるという予想を見事に的中させた。

昨オフはフランシスコ・リンドーア、今オフはマックス・シャーザーを獲得するなど、大富豪のスティーブ・コーエン・オーナーのもとで積極的な補強を進めているメッツだが、フロントオフィスでもゾーズマーを中心に現代のベースボールに適応するための改革が進められている。これらが上手く噛み合ったとき、メッツは他球団にとって大きな脅威となるに違いない。

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