三八朝市周辺まちづくり協議会(勝島寅一郎会長)は、上越市住吉町の延寿寺(安田詮秀住職)にある直江津出身の江戸時代の名力士、越ノ海勇蔵の墓石周辺を整備し、27日、お披露目会を行った。
同会は「なおえつ物語」として地元に伝わる物語を紙芝居にして広めている。越ノ海はその第2弾、「義人 福永十三郎ものがたり」に登場する。三八の市が開かれている川端町(現同市中央3)に生まれ、直江津の大肝煎(おおきもいり)を務めた福永十三郎に奉公し、江戸に出て力士になったという。越前松平家のお抱え力士となり、十三郎が魚の販売権を高田・田端町と争い江戸で幕府に直訴した際に松平家を通して口添えし、旧主の恩に報いたという。
同寺にあった墓は風化し、木製の案内板も傷んでいたため、上越市地域活動支援事業で墓を本堂の横に移設し、風雪から守るほこらを新設。隣に案内板を、同寺の駐車場に紙芝居の絵を入れた看板を設置した。
この日は安田住職による読経が行われ、境内にあるたちばな認定こども園で参列者と預かり保育の同園園児の前で、十三郎の紙芝居が上演された。勝島会長は「直江津から立派な相撲取が出たことを、地域の人に知ってもらい、観光面でも生かしたい」と話した。