徳島県三好市、大歩危峡エリアで、11月28日、初となるスカイランニングレースが行われた。山深く急峻な古道を通り、そびえたつ国見山頂上を周回する過酷なコースで多くのランナー達が競い合った。
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>>「天空を駆ける!大歩危国見山スカイレース パート【1】」 太鼓とほら貝が響き渡り、競技スタート
ランナー達が「そら」を走りはじめる 四国山地の中でも非常に険しい国見の登山道
JR大歩危駅近くの会場から、スタートするランナー達。全12.8kmのコースの始まりは、すぐに急勾配。コースのはじめの5kmは常に上りで、その間の標高差は1200m。
15秒ごとにスタートするランナー達は、次々に山の中へとかけ上ってゆく。
有宮神社まで曲がりくねった道を上がり続ける。
「え!これがコース?!」 国見の名を冠した山 急峻な古道
有宮神社を通過の時点で、まだレースは1kmの距離に達していないが、すでに標高は200m上がっている。標高差がレースの過酷さを表している。
神社のエリアまで登り続けたランナー達。すでに息が上がっている競技者も多い。敷地の平坦な場所で地元の女性たちが焚火と共に「いってらっしゃい。」と拍手で応援している。しかし、情け容赦なく、ランナーの目の前には木々の奥へ続く、終わりの見えない神社の石段が。
「このコースは一体、何!?」と、驚きが声に出てしまうランナーや、あまりにきつすぎるコースに「信じられない。」と笑ってしまうランナーもいた。
そして国見山古道のコースは、頂上へ向かいさらに標高をあげていく。
「天空」を目指すスカイランナー達 山頂までラストスパート
ランナー達を追うべく、取材班もコースと林道の交差する場所まで向かう。車で20分。すでに何人かのランナーは走り抜けていった。ここは標高1150m、スタート地点からすでに標高差1000m。
山中の古道から道路に現れるランナー達。皆、集中して、確実なペースで走っていく。
ここに設置されたエイドステーションでは、息を切らしながらも何人かが水分補給をしていく。驚いたことに、この過酷なコースの中でも笑顔を見せてくれる競技者もいた。
しかし、山頂へはこれから。国見山頂上まではあと250mの標高差。
国見山 山頂を駆け抜ける スカイランニングの爽快感を味わえる広大な景色
国見山頂上は標高1490m。その名の通り、360度パノラマで、遠くは愛媛や高知の山々、瀬戸内海、四国全体を望むことができる山だ。
レースのため、ここでゆっくりすることができないが、見事な景色を楽しむランナーもいた。
跳ぶように駆け下りる 国見山頂から大歩危峡谷までの長い道のり
山頂からは長い下り。やって来たのとは別の道を下り始める。
疲労が増していき、そして山中の石や木の根で足元が不安定な中、速さも求めながらの下りはさらなるチャレンジだ。
ランナー達は、上りの時よりはるかに速いスピードで下っていく。コースが急峻なため、もう走っているのではなく、跳びながら山を抜けていくようにしか見えないスカイランナー達がほとんどだ。
次の、林道とコースのクロスするところまで来ると、すでに何人かの先頭のランナー達が走り抜けていった。もうすでに山頂からここまで来ている。その強靭さに驚く。
コースのループの部分はエイドステーションで終わり、この後は登って来た時と同じコースを大歩危駅近くのゴール地点へ向かって下る。
パート3では、この信じられないようなチャレンジ、スカイレースの結果を紹介する。
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>>「天空を駆ける!大歩危国見山スカイレース パート【3】」 12.8kmを駆け抜けたスカイランナー達の結果発表!
大歩危国見山スカイレース
日本スカイランニング協会
https://Skyrunning.jp/
四国スカイランニング協会
https://human-power.wixsite.com/shikoku-Skyrunning/field
(取材・文: ショーン ラムジー、写真: ショーン ラムジー & 生野 明弘)