米軍岩国基地にコロナ対策徹底を要請 感染拡大受け山口県と岩国市

米軍岩国基地

 山口県は4日、新型コロナウイルスの対策会議を開いた。岩国市を中心に感染力の強いオミクロン株が急速に広まっている現状を共有し、改めて予防の徹底や積極的な検査を呼び掛けた。

 12月23日からこの日までに県内で確認された感染者は221人で、うち岩国市内が160人に上る。米軍岩国基地や飲食店の関連が計60人いるほか、経路不明は27人だった。オミクロン株の感染者は疑いも含めると118人いた。県は、年末年始に人の動きが活発になり、仕事や学校が始まることで、県全域への拡大も警戒する必要があるとした。

 記者会見で村岡嗣政知事は、まだ感染の「第6波」ではないと述べた上で「リスクが高まっているのは明らか」と強調した。現時点では飲食店への時短要請などは考えていないが、今後の広がり次第では「踏み込んだ対策も必要になる」と説明した。

 この日、岩国市の福田良彦市長と連名で、米軍岩国基地に感染対策の徹底などを盛り込んだ要請文を出した。林芳正外相(衆院山口3区)と岸信夫防衛相(同2区)にも同様の文書を出し、米側に求めるよう要請した。(中川晃平)

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