絶滅危惧種のナックルボーラー 歴代トップ10を公式サイトが特集

スティーブン・ライトが故障やDV問題、禁止薬物使用などによりフェードアウトして以降、メジャーは純粋なナックルボーラーが不在となった。2019年のライアン・フィアベンド、2021年のミッキー・ジャニスのように短期間だけメジャーでプレーしたナックルボーラーはいるものの、それを除けばナックルという球種は今や敗戦処理で登板した野手が遊び半分で投げているだけである。そんな「絶滅危惧種」と言うべきナックルボーラーについて、メジャーリーグ公式サイトのデービッド・アドラー記者が歴代トップ10を紹介している。

1位に選ばれたのは「最も有名なナックルボーラー」と言われるフィル・ニークロだ。主にブレーブスで活躍してメジャー24年間で通算5000イニング以上を投げ、318勝(歴代16位)274敗29セーブ、防御率3.35、3342奪三振(同11位)を記録。300勝&3000奪三振を達成した史上唯一のナックルボーラーであり、当然のようにアメリカ野球殿堂入りも果たしている。

2位のホイト・ウィルヘルムも殿堂入りの名投手だ。第二次世界大戦の影響もあってメジャーデビューは1952年、29歳と非常に遅かったが、50歳になる直前までプレーを続け、通算143勝122敗228セーブ、防御率2.52、1610奪三振を記録。1位のニークロも48歳までプレーしており、選手寿命が長いのはナックルボーラーの特徴と言える。

3位にはティム・ウェイクフィールドがランクインした。メジャー19年間のうち最初の2年間を除いてレッドソックス一筋で17年間プレーし、通算200勝180敗22セーブ、防御率4.41、2156奪三振を記録。プロ入り時は一塁手だったが、ニークロから学んでナックルに磨きをかけ、ナックルボーラーとして大成した。おそらく現在のメジャーファンに最も馴染みのあるナックルボーラーだろう。

4位は45歳でマーリンズの球団創設第1戦に先発したことでも知られる通算216勝のチャーリー・ハフ、5位はナックルボーラー史上唯一のサイ・ヤング賞に輝いたR・A・ディッキー、6位は「ブラックソックス事件」で永久追放されたエディ・シコット、7位は珍しい左投げのナックルボーラーとして活躍したウィルバー・ウッド、8位は通算191勝のダッチ・レナード、9位はニークロ兄弟の弟で通算221勝を挙げたジョー・ニークロ、そして10位にはドジャース時代に野茂英雄とともに先発ローテーションを担ったトム・キャディオッティが名を連ねた。

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