2022年の新人王を予想 トーケルソン、ウィットJr.らが有力候補に

プロスペクト(若手有望株)の情報を専門的に扱う「MLBパイプライン」では、ジム・キャリス記者とサム・ダイクストラ記者の2人が今年最初のポッドキャストのなかで、プロスペクトに関する様々な予想を実施。そのなかで2022年シーズンの両リーグの新人王予想も行われ、キャリス記者はスペンサー・トーケルソン(タイガース)とブライソン・ストット(フィリーズ)、ダイクストラ記者はボビー・ウィットJr.(ロイヤルズ)とオニール・クルーズ(パイレーツ)の名前を挙げた。

まずはキャリス記者の予想を見ていこう。キャリス記者は「ア・リーグにはたくさんの優秀な候補者がいる」としつつも、「そのメンバーのなかで最もオールラウンドな打者だと思った」と2020年ドラフト全体1位指名でタイガースに入団したトーケルソンを選んだ。プロ1年目のシーズンとなった昨季はA+級からスタートし、AA級を経てAAA級まで到達。3階級合計で121試合に出場し、打率.267、30本塁打、91打点、出塁率.383、OPS.935をマークした。

ナ・リーグはフィリーズのストットという予想。キャリス記者は「昨季の数字を見てほしい。A+級から(AA級を経て)AAA級まで昇格し、どの階級でもよく打った」と語ったが、昨季のストットは3階級合計で112試合に出場して打率.299、16本塁打、49打点、出塁率.390、OPS.876をマークした。2019年ドラフト1巡目(全体14位)指名から順調に成長しており、「チームにインパクトを与え、ポストシーズン進出を手助けする可能性もある」とキャリス記者は高く評価している。

一方のダイクストラ記者は、ア・リーグはロイヤルズのウィットJr.を選んだ。「ロイヤルズはサービスタイムをあまり気にせず、早く選手を育てようとするチームだ。だからウィットJr.は開幕ロースター候補になると思う」と指摘。「(打力だけでなく)スピードもあるから、トーケルソンや(オリオールズの)アドリー・ラッチマンとは違う形で試合に貢献できる」と語った。2019年ドラフト全体2位指名でロイヤルズに入団したウィットJr.は昨季、AA級とAAA級で合計123試合に出場し、打率.290、33本塁打、97打点、29盗塁、OPS.936の好成績を残している。

ナ・リーグは昨季終盤にメジャーデビューしたパイレーツのクルーズという予想。昨季はAA級とAAA級で合計68試合に出場して打率.310、17本塁打、47打点、19盗塁、OPS.970をマークし、メジャーでは3試合に出場してシーズン最終戦で初本塁打も放った。ドミニカ共和国出身のクルーズは身長201センチ、体重95キロと非常に大柄なため、遊撃から外野(右翼)へのコンバートが予想されていたが、パイレーツは現時点では大型遊撃手として起用していく方針。ダイクストラ記者は「遊撃手であれだけの打力を持っているのは大きな資産になると思う」と評価した。

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