農業試験場・県立大南キャンパスの今後は? 県と市で利活用方策を検討

 山口県が2023年4月の供用開始(当初の予定より1年遅れ)に向けて整備を進めている「農林業の知と技の拠点」事業により、県農業試験場(山口市大内氷上)および県林業指導センター(山口市宮野)が、防府市の農業大学校に移転・統合される。そのことで多くの市民が関心を寄せているのが、約25.7ヘクタールある農業試験場移転後の跡地の利活用だ。

 山口市企画経営課によると、同地周辺における大きな課題が、雨水排水対策。同市ではこれまで、電動取水ゲートの整備や、雨水貯留浸透施設の設置などを進めてきた。さらに、県道21号山口防府線における慢性的な交通渋滞も問題視されている。そこで今年度、山口県が実態調査を行っているという。

 今後も引き続き、市と県が役割分担しながら、周辺における諸課題への対策を図っていく。そして、市民からの要望や、デジタル化や地域脱炭素などといった時代の流れも踏まえ、利活用方策の検討が進められていく。

 一方、北キャンパスへの学部移転が2020年9月に完了した山口県立大の南キャンパス跡地の利活用についても、市民の関心が高まっている。

▲山口県立大南キャンパス

 「子育て・高齢者に優しい街づくり」「買い物環境の整備」「交通網の整備」等の要望が地域から寄せられており、「これらの声も参考にしながら、県とともに利活用方策の検討を進められるようにしたい」と同課。

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