神奈川県職員自殺の和解金 黒岩知事ら2人への請求棄却

 自殺した男性県職員の遺族に神奈川県が支払った和解金1億円を巡り、自殺の原因は黒岩祐治知事と上司の職員にあるなどとして、両氏にそれぞれ5千万円を請求させるよう求めた住民監査請求について、県監査委員は7日までに請求を棄却した。5日付。

 監査結果によると、男性=当時(37)=は県の財政課に所属していた2016年11月に自殺。請求人は、自殺の原因は男性が知事室在籍時の上司から受けたパワハラや、知事の指揮監督権の不行使などにあるとし、両氏には故意または重大な過失があると主張した。

 一方、委員は男性が受けたとされる上司からのパワハラについて、「自殺との間に因果関係があるとする具体的な証拠は認められなかった」と判断。黒岩知事についても、「指揮監督権の適切な行使を怠っていたとの主張は当たらない」などとした。

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