ヤンキース傘下のマイナー球団でマイナー史上初の女性監督誕生へ

「ジ・アスレチック」の報道によると、ヤンキース傘下A級タンパはレイチェル・バルコベックを今季の監督に起用することを決定したようだ。メジャーリーグと提携関係にあるマイナー球団では史上初の女性監督が誕生する。現在34歳のバルコベックはプロ野球の世界で10年間のコーチ経験があり、2019年11月にはヤンキース傘下で女性としては史上初となるフルタイムの打撃コーチに就任。昨年7月にはフューチャーズ・ゲームのコーチングスタッフに選出され、ア・リーグ選抜の一員として一塁ベースコーチも経験した。

バルコベックは昨季、ヤンキース傘下ルーキー級のチームで打撃コーチを務めていた。そのチームでは「MLBパイプライン」のプロスペクト・ランキングでで球団2位(全体17位)の高評価を受けているジェイソン・ドミンゲスらを指導。ドミンゲスは昨季途中にルーキー級からA級へ昇格しており、バルコベックはそのA級で監督を務めることになった。バルコベックはドミンゲスを「彼と一緒に仕事をするのは楽しい。信じられないくらいに知的だし、能力も高い。私は彼のことをリーダーと見なしている。とても若いけれど、正しいやり方を貫いている」と絶賛している。

「ドライブライン・ベースボール」で打者の目の動きや投手の股関節の動きを研究するなど、最先端のアナリティクスに精通していることがバルコベックの特徴だ。バルコベック自身も以前「スイングメカニクスは私の得意分野であり、とても自信がある」と語っていたことがある。よって、監督に就任したあともアナリティクスを最大限に活用しながらチームの指揮を執り、選手を指導していくことが予想される。

ヤンキース傘下ルーキー級の打撃コーチに抜擢された際、バルコベックは「私はスポーツ界で私より先に登場した女性たちによる産物だ。もし誰かが私のことを先駆者と思ってくれるなら、それは他の女性への可能性を広げることにもつながるし、素晴らしいことだと思う」と話していた。文字通りの先駆者として、女性ではマイナー史上初となる監督の大役に挑む。

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