神奈川県動物愛護センターで保護猫急増 「多頭飼育崩壊」認知高まり「これ以上収容できない」

県動物愛護センターで飼育されている保護猫=11月25日、平塚市土屋

 神奈川県動物愛護センター(平塚市土屋)で保護している猫の頭数が、大幅に増えている。猫の収容可能数約90匹に対して、昨年末で200匹を超える。

 飼い主が10匹以上の犬猫を管理しきれなくなる「多頭飼育崩壊」への認知度が高まり引き取り頭数の増加や、コロナ禍で保護犬・猫の譲渡会が減っていることなどが要因。同センターでは犬は2013年度から、猫は14年度から「殺処分ゼロ」を達成しているが、同センターは「既に立ち行かなくなっている。これ以上収容できない」と頭を抱えている。

 同センターでは現在、猫専用の飼育部屋が満室になり、現在は犬の飼育部屋を使ったり、飼育を想定していない部屋にケージを積み重ねたりして、猫を飼育・管理している。他部署のスタッフの手も借りるなどして餌やりなどを行い、「世話することに手いっぱいで通常業務もきちんと回っていない」(同センター)状況という。

 同センター愛護・指導課によると、19、20年度末の猫の収容頭数(繰り越し頭数)はいずれも79匹だったが、昨年12月27日現在の収容頭数は204匹。また、猫の多頭飼育崩壊現場からの保護は18年度4件77匹、19年度ゼロ、20年度6件181匹で、21年度は同10月末までに9件299匹と急増している。

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