「旧善波(ぜんば)トンネル付近に出ている『落石注意』の看板が気になります。一向に対策をする気配がないのですが…」という疑問が「追う!マイ・カナガワ」取材班に寄せられた。付近は「心霊スポット」としても知られ、カメラを持って恐る恐る向かった。
伊勢原、秦野の境にある善波峠にはトンネルが2本ある。一つは国道246号にある「新善波隧道(ずいどう)」(1963年供用)。もう一つが、裏道として使われる旧道の「旧善波隧道」(28年供用)だ。
看板は伊勢原から秦野方面に向かって旧善波隧道を出た所にあった。三角コーンが並び、木々がうっそうと茂っている。設置した秦野市に尋ねると「設置時期は分からない。この場所は2019年の台風19号でも崩落したことはありません」と話す。
それではなぜ「落石注意」なのか。担当者は「他の場所で使われていた看板を流用したのかも」と苦笑い。落石対策工事などの予定はなく、交通事故を防ぐことが目的のようだ。
旧善波トンネルについて調べていると、1965年9月に伊勢原側で少年が死亡するバイク事故があり、付近で「少年の霊が出る」などと言われた時代もあったことを知った。
「落石注意」はあくまで交通事故防止の啓発看板と分かったが、「交通量は少ないですが、安全運転してほしい」と担当者。記者も気を付けたい。