小正月行事「献灯祭」が14日夜、糸魚川市の能生白山神社で開かれた。大小約60本のろうそくが拝殿に並び、幻想的な雰囲気に。奉納者ら参拝客が揺れる炎に手を合わせ、家内安全や無病息災、五穀豊穣(ほうじょう)や商売繁盛、新型コロナウイルスの退散などを祈願した。
献灯祭は、15日早朝にかけて行われる「お筒粥神事」の宵宮。夫婦で参拝、孫2人のためにろうそくを毎年奉納している同市能生の男性(64)は「自分のことよりも家族の健康を願いたい」と話した。
◇古式にのっとり占う お筒粥神事
お筒粥神事は古式にのっとり、石臼でひいたコメをヨシの筒と一緒に煮てかゆにし、「早稲(わせ)」「中稲(なかて)」「晩稲(おくて)」に見立てた筒の詰まり具合から農作物の豊凶などを占う。今年は早稲に空洞が見られたが、中稲と晩稲はぎっしり詰まり、後半に向けて良くなる見立てに。中村利勝・筆頭総代(74)は「豊作のみならず、コロナが終息に向かうとも受け止めた」と願いを話した。