聴覚障害者向けコミュニケーションボード 大雪災害時の情報伝達支援 北城高家庭クラブ製作  上越市ろう協会に寄贈

 県立高田北城高(柳沢幸也校長)の家庭クラブは聴覚障害者向けのオリジナルコミュニケーションボードを製作した。13日、上越市ろう協会にボード25枚を寄贈した。

上越市ろう協会の中村会長(右)に完成したコミュニケーションボードを手渡した

 コミュニケーションボードは、会話で頻出する用語や単語をイラストや文字で分かりやすくまとめ、指さしだけで聴覚障害者と健常者が互いに情報伝達できる。今回、同クラブが製作したボードは大雪災害に特化。必要な道具や体の不調、症状などを伝えたり、避難所での案内などをA3判裏表にまとめた。

 家庭クラブは同校で家庭科の授業を学ぶ生徒で構成。年間を通じた課題研究活動の一つとして、1学期から取り組んだ。上越市役所に地域課題を尋ねたところ、昨冬の豪雪で高齢聴覚障害者の支援時にコミュニケーションが取りにくかったという事例が挙げられ、高校生ができる取り組みとして、コミュニケーションボードを作ることにした。

 製作に当たり、上越市ろう協会や同市社会福祉協議会に助言を仰ぎ、当事者が使いやすいように工夫した。症状の程度を表すグラフを色分けして伝えやすくすることや、避難先での案内を伝える部分は、同協会からの助言を受けてできた部分だ。

上越市ろう協会の中村会長(右)に完成したコミュニケーションボードを手渡した

 13日に同協会の中村洋子会長を同校に招き、完成したボードを寄贈した。中村会長は「絵があって高齢聴覚障害者もとても分かりやすい。最初に見せてもらったとき、高校生が悩んで作ってくれていることにとても感動した」と喜びと感謝を語った。

 同クラブの浅井優生乃会長(3年)は「ボードを使ってコミュニケーションがうまくできたら。皆さんのお役に立てたらうれしい」と話した。

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