ノーヒッターを達成できなかった名投手たち 公式サイトが特集

メジャーリーグ公式サイトのアンソニー・カストロビンス記者は、キャリアを通して1度もノーヒッターを達成できなかった名投手たちを紹介する特集記事を公開した。史上最多のサイ・ヤング賞7度を誇るロジャー・クレメンスのほか、ペドロ・マルティネス、グレッグ・マダックス、スティーブ・カールトン、グローバー・アレクサンダーといった名投手の名前が挙げられている。また、「ノーヒッター未達成の現役ベスト投手」には通算219勝のザック・グレインキーが選ばれている。

クレメンスは通算354勝、4672奪三振を記録し、1986年MVP、サイ・ヤング賞7度という名投手だが、ノーヒッターは1度も達成していない。ただし、ポストシーズンでわずか7人しか記録していない「ワンヒッター」の経験者であり、2000年のリーグ優勝決定シリーズ第4戦(対マリナーズ)で7回裏先頭のアル・マーティンの二塁打1本に抑える完封勝利(15奪三振)をマークした。

マルティネスはエクスポズ時代の1995年6月3日、パドレス戦で9回まで打者27人をパーフェクトに抑えたものの、味方打線も無得点で延長戦に突入。1点を先制してもらった直後の10回裏、先頭のビップ・ロバーツに二塁打を許し、快挙達成を逃した(2番手メル・ロハスが抑えてエクスポズが1対0で勝利)。

マダックスは抜群の制球力を武器に打たせて取るピッチングを展開する投手だったため、打ち取った打球がヒットになる不運も多く、ノーヒッターには恵まれなかった。カールトンは「ワンヒッター」を通算6度記録しているが、ノーヒッターは最後まで達成できず。アレクサンダーは1915年の1シーズンだけで「ワンヒッター」を4度も記録したが、このうち6月5日のカージナルス戦では9回裏二死からアーサー・バトラーにヒットを許し、ノーヒッター達成を逃した。

このほか、マイク・ムシーナ、ファージー・ジェンキンス、レフティ・グローブ、ドン・サットン、キッド・ニコルズ、スリーフィンガー・ブラウン、エディ・プランク、ロビン・ロバーツ、ドン・ドライスデール、ホワイティ・フォード、アーリー・ウィンといった殿堂入り投手たちもノーヒッターには縁がなかった。また、殿堂入り投票の有資格最終年を迎えたカート・シリングもノーヒッターの経験はない。

ちなみに、グレインキーはダイヤモンドバックス時代の2019年6月13日、7回裏先頭のトレイ・ターナーに初安打を許した試合後、「(ノーヒッターを投げるのは)おそらく何よりも面倒なことだろう。ナンセンスなことがたくさんついてくる。俺はノーヒッターのことなんて絶対に考えないよ」と話している。キャリアを通して1度もノーヒッターを達成していないことなど全く気にしていないようだ。

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