レイズの「姉妹都市プラン」は実現せず メジャーリーグ機構が却下

メジャーリーグ機構の理事会は、レイズの「姉妹都市プラン」を却下した。これは将来的にホームゲームの半分をタンパベイ地域、もう半分をカナダのモントリオールで開催するというプランで、2年7カ月前に予備的に承認されていた。レイズのストゥ・スターンバーグ・オーナーは日本時間1月21日、本拠地トロピカーナ・フィールドでオンライン会見を開き、「このニュースは2年半にわたってこのプランに全力を注いできた球団関係者を落胆させるものだ」と語った。

スターンバーグ・オーナーは「球団を売却するつもりはない」ことを明言しつつも、「2028年の開幕までに本拠地を見つけるために動き出さなければならない」と認めている。現在の本拠地トロピカーナ・フィールドの使用契約は2027年シーズン限りで終了。もし新球場を建設するのであれば、計画や建設にかかる時間を考慮すると、2023年までには契約を結ぶ必要があると考えられており、スターンバーグ・オーナーは「タンパベイ地域でいろいろ模索していくことになるだろう。我々の目標はこの地域に何世代にもわたって球団を維持することだ」と話している。

2019年6月に予備的な承認を受けたレイズはその後、「姉妹都市プラン」の実現に向けて準備を進め、昨年11月のオーナー会議で正式に許可を求めた。その時点では要求が認められると楽観視していたが、スターンバーグ・オーナーによると「最近になって機構側の見解が不特定の理由によって変化した」という。スターンバーグ・オーナーは「メジャーリーグ機構はまだ(姉妹都市プランに対応する)準備ができていないだけ」とも話しており、プランの内容云々よりも、「2つの本拠地」という異例の形式を受け入れる体制が整っていなかったというのが実情かもしれない。

マシュー・シルバーマン球団社長が「メジャーリーグが長期にわたってタンパベイ地域に留まるための最善にしておそらく唯一のチャンス」と呼ぶ「姉妹都市プラン」が実現すれば、エクスポズ(現ナショナルズ)を失ったモントリオールの街にメジャー球団が戻ってくるはずだったが、その可能性も消滅。15年近く前からタンパベイ地域での新球場建設を模索しているレイズだが、トロピカーナ・フィールドに代わる新たな本拠地を確保し、スターンバーグ・オーナーの言葉通りにタンパベイ地域に留まることはできるだろうか。

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