新型コロナウイルスが世界的に広がり始めて2年、朝鮮では依然として「感染者0」である。
最近、朝鮮労働党の機関紙を通じてその秘訣を探ってみた。
労働新聞は非常防疫事業において「模範」とすべき企業や機関や個人を紹介している。
ここでは「防疫セクション」の活動が頻繁に登場する。工場や学校、飲食店やレジャー施設ごとに設置され、体温測定と手消毒を実施する。施設の敷地内に入る正門にもあり、職場や教室ごとにもある。
これとは別に、居住地ごとに編成される「人民班」でも活動が展開される。
住民が自宅を出た後、必ず「防疫セクション」を通過させることで、職場や学校に行くために利用する公共交通機関内で感染を広げないようにしているのだ。
労働新聞には、 衛生服を着て物々しい雰囲気の中で事務所や施設に消毒液を噴霧する写真がしばしば掲載されるが、その消毒液は濃度まで徹底的に管理されているようだ。
新聞は、濃度を正確に測定してから消毒作業を行う「電力情報研究所」の経験を紹介した。
職場ごとに「衛生担当メンバー」を任命して毎日防疫に関する総括を行っているのも特徴だ。
ワクチンが万能でないことが証明されている現実に照らし合わせても、朝鮮の防疫対策は、自国の実情に合った合理的な方法といえる。「感染者0」という数字は、一連の防疫措置に実効性があることを物語っている.