意外なポジションを守った殿堂入り選手たち 公式サイトが特集

殿堂入り選手はそのポジションを象徴するような選手であることが多い。デレク・ジーターならショート、イバン・ロドリゲスならキャッチャー、ケン・グリフィーJr.ならセンターといった具合に、選手とポジションは切っても切り離せない関係と言える。そんななか、メジャーリーグ公式サイトのデービッド・アドラー記者は「意外なポジションを守った殿堂入り選手」を紹介する特集記事を公開した。その名前から連想されるポジションとは異なるポジションでプレーした名選手が各ポジション1人ずつ選ばれている。

先発投手:グース・ゴセージ

通算310セーブを記録した名クローザーだが、通算37試合に先発。特にホワイトソックス時代の1976年には登板した31試合のうち29試合に先発し、224イニングを投げて9勝17敗1セーブ、防御率3.94、15完投を記録している。

救援投手:ペドロ・マルティネス

ドジャースのトム・ラソーダ監督はペドロのスタミナ不足を懸念し、リリーフで起用。メジャー2年目の1993年には65試合(うち2先発)に登板して107イニングを投げ、10勝5敗2セーブ、防御率2.61、119奪三振の好成績を残した。

捕手:クレイグ・ビジオ

名二塁手として知られるが、メジャーデビュー時は捕手。1989年にシルバースラッガー賞を受賞し、1991年にはオールスター選出を果たした。2007年9月29日、現役ラストゲームの前日に2イニングだけ捕手として出場している。

一塁手:マイク・シュミット

史上最高の三塁手とも言われるが、有望株リック・シュー(元日本ハム)の出場機会を作るために1985年は一塁へコンバート。ところが、翌年には慣れ親しんだ三塁へ戻り、本塁打と打点の二冠王で自身3度目のMVPに輝いた。

二塁:ティム・レインズ

通算808盗塁を記録した俊足の名左翼手だが、マイナー時代は二塁手。メジャー昇格後、最初の5シーズンは二塁を守る機会があり、1982年には二塁手としてメジャー昇格後最多の36試合に出場し、いずれの試合もフル出場した。

三塁手:ジム・トーミー

通算612本塁打を記録した大砲はメジャーデビュー時は三塁手だった。1996年には三塁手としてシルバースラッガー賞を受賞。1997年、強打好守のマット・ウィリアムスが加入したことにより三塁から一塁へコンバートされた。

遊撃手:ポール・モリター

1978年にロビン・ヨーントがゴルフ転向発言で物議を醸した際、メジャーに呼ばれて遊撃を守ったがモリターだった。ヨーントは同年5月に復帰。モリターは二塁へ移り、中堅と三塁を経て、1990年代に入るとDHを務めた。

左翼手:ヨギ・ベラ

ヤンキースの黄金期を支えた名捕手だが、左翼手として通算149試合、右翼手としても通算116試合に出場している。特に1961年は捕手としてわずか15試合にしか出場しておらず、左翼手としての出場がメイン(81試合)だった。

中堅手:ベーブ・ルース

打者転向後は主に右翼もしくは左翼を守ったルースだが、中堅手としても通算74試合に出場。ヤンキースの中堅手として出場した61試合で打率.384、23本塁打、出塁率.509、長打率.787、OPS1.296という驚異的な成績を残した。

右翼手:ジョニー・ベンチ

史上最高の捕手と言われるベンチだが、捕手がメインポジションだったのは1980年まで。現役生活のラスト3年は一塁や三塁を守った。また、外野を守るケースもあり、左翼と右翼で各55試合、中堅でも通算2試合に出場している。

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